本記事は、砂田全士氏の著書『「あなたから買いたい!」と言われる熱狂顧客のつくり方』(standards)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=oatawa/stock.adobe.com)

ワクワク客を集めるために必要なたった2つの質問

売上が倍増するための「たった2つの質問」

それではワクワク客で囲まれた最高の営業人生を手にするために、具体的には何をすればいいのでしょうか?

答えは、「たった2つの質問」に対する答えを用意することです。

この2つの質問に対する答えが明確になった実践会メンバーは、例外なく売り上げが上がります。ただ、売り上げが3倍になる方もいれば、2割増くらいの方もいます。その言語化のブラッシュアップをしていくたびに売り上げが上がっていくのです。「たった2つの質問」への回答を言語化できたら売り上げが倍増すると思えばワクワクしませんか?

それではこの2つの質問についてお伝えしていきます。

1つ目は「ワクワクする顧客は誰ですか?」。
2つ目は「あなたの顧客になる理由はなんですか?」。

まず1つ目について。「ワクワク客とは気持ち良く商談できて、毎日でも会いたくなる顧客」と定義すれば、あなたにとってそのワクワク客からどんどん、どんどん人脈の広がり(ファンツリー)が育っていったとしたら楽しいと思いませんか?

そしてこの「ワクワクする顧客」という定義化に対してよくある質問が、「理想の顧客は1人じゃないとダメなんですか?」という内容です。

結論を言うと2人でも3人でも大丈夫です。さらに言うと、「3つの柱があると理想」と伝えています。

1つ目は「今まで考えたこともないようなワクワクするお客様」。
2つ目は「既存顧客の中で最高のお客様」。
3つ目は「他人の力を借りて行きつけるお客様」。

それでは、具体的にどう言葉に落とし込んでいくかをお伝えしていきましょう。

例えば2つ目の「既存顧客の中で最高のお客様」のことを、あなたが初対面の私に伝えるとしたらどんな言葉で伝えますか?

あなたの頭の中には、例えば鈴木さんというお客様が思い浮かんだとします。その鈴木さんに会ったことがない私が、あなたから鈴木さんどんな人かという説明を聞いて、実際に鈴木さんに会ってみたときに、「お聞きして想像していた通りの方ですね!」となっていれば上手に伝わったと言えます。では、どんなことを伝えますか?

まずは性別、年齢、お住まいのエリア、お勤め先など「属性」についてお伝えしますよね。

通常、マーケティングの本などを見ていると、「ペルソナを設定しましょう」といった内容の場合、「属性」にフォーカスし過ぎている気がします。

ファンツリー思考では、「ワクワク感」を最も重要視していますので、「どんなお客様だったらワクワクするかと」いう観点で補足説明をしましょう! 例えば、

「家族想いの方で休日は子供の予定を最優先している」
「会社では部下の面倒見が良くて慕われている」
「いつもにこやかで丁寧に人の話を聞いてくれる」
「野球をずっとやっていて体育会系なので挨拶など礼儀に特に気を遣っている」

こういう情報が正しければ、、実際にお会いして話をしたときに、「お聞きしていた通りの方ですね!」と、ギャップがありません。

これが「ワクワクする理想の顧客」の言語化のうまくいった場合です。

あなたのイメージする人を、まったく知らない第三者が聞いて同じようなイメージが湧くか、同じイメージが湧けば言語化の成功です。

このように言語化が進んでいくと、徐々に理想の顧客に近いお客様にお会いすることができたり、ご紹介をお預かりできるようになっていきます。具体的に起こすべき行動は2ヶ月目、3ヶ月目のステップで詳しく解説します。

そして、3つ目の「他人の力を借りて行きつけるお客様」については、よく「他力思考」と実践会ではお伝えしています。

とあるアフリカの諺です。『早く行きたいなら、1人で行きなさい。遠くへ行きたいなら、みんなで行きなさい』。これは『最速で10倍の結果を出す他力思考』を出版されている私の教育事業のメンター、小林正弥氏の研修でお聞きした言葉です。

私で言うと、世界的リファーラル組織のBNIに所属をしているので、私自身がこの本の出版に至ったのも、MDRT世界大会で講演できたのもすべてこの3つ目の言語化が鍵だったということなのです。

では具体的にどうやったら他力思考を実践できるのか?

「あなたの強み」の言語化に、人の力を借りることによって初めて提供できる価値を設定します。その価値をお客様に提供する項目を入れることで実践に結びついていきます。

次に「ワクワク客を集めるために必要なたった2つの言語化」の2つ目。「あなたの顧客になる理由はなんですか?」について落とし込んでいきましょう。

よく「オンリーワン」という言葉を聞きますよね。2つ目を簡単に言い換えると、「あなたじゃなきゃだめ!」というお客様があなたを指名する理由です。

講演会や研修会でこの言語化のワークを行うとき、必ずほとんどの参加者の手が止まってしまいます。なぜかと言うと、「自分のことは自分で見えない」からです。あなたが人より得意で上手にできていることは周りから見たらわかるのですが、自分では当たり前にできているので自分が上手にできるという認識がない。このパターンが非常に多いのです。

実際にワークシートではこの2つの言語化を併せて行うのですが、この言語化シートにまず言葉が埋まらない方が圧倒的に多いのです。

下図をご参照ください。真ん中に「ワクワクする理想の顧客」を置いて、周りを4つの強みで掛け算していきます。大切なことは「お客様の言葉に耳を傾ける」という行動なのです。

「あなたから買いたい!」と言われる 熱狂顧客のつくり方
(画像=「あなたから買いたい!」と言われる 熱狂顧客のつくり方)

お客様の声に焦点を当てて、改善していくことで「あなたの価値」はより高まっていきます。例えば保険業界ではフルコミッションに近い給与体系が多いですが、そのお給料を払ってくれている人は誰でしょうか? 保険会社でしょうか? 違いますよね、あなたに報酬を払ってくれるのはお客様です。そのお客様の声を聞いていない時点で、まだ狩猟型営業なのです。逆に言うと、お客様の声を聞く習慣を作るだけで、自然な紹介が溢れ出る農耕型営業に変わることができるのであれば、やらない理由はあるでしょうか?

「ワクワクする理想の顧客は誰ですか?」「あなたの顧客になる理由はなんですか?」この2つの質問に明確に答えることができるようになると、行き当たりバッタリの営業から卒業し、ワクワク客で囲まれた最高の営業人生を手にすることができます! 最初から完璧に言語化できる人はほとんどいません。MDRT常連のトップセールスであろうと難しい言語化なのです。

でも、安心してください。先ほどのワークシートにも「強みは今はまだなくてもTTP(徹底的にパクる)でOK」と書いています。その事例の中や、もちろん周りの先輩など自分が目指すスタイルを実践して結果を出している方をどんどんTTPして書いてしまえば、まずはOKです!あなたらしさの詰まったワークシートを完成させるためのワークもすべて準備していますので、ワクワク感を忘れず楽しみに読み進めてください。

まとめ
あなたの強みを喜んでくれる「ワクワク客」を真ん中に置いて考えよう!
強みはあなたが目指すスタイルを実践している人を見つけて「TTP」でOK!
「あなたから買いたい!」と言われる 熱狂顧客のつくり方
砂田全士
1975年奈良県生まれ。
1999年同志社大学法学部卒。
カード会社勤務を経て23歳で転勤先の熊本で外資系生命保険会社に転職するもすぐに見込客開拓に行き詰まり、1,000万円を超えるカードローンを抱えて自転車操業というどん底を長く経験。
そんな中、34歳のときに「顧客管理」を独自ルールに基づいて実践することで、1年でたった1人のお客様から100名を超える契約を獲得。400万円以下だった売上は1,500万円を超え、生命保険業界トップ6%のMDRT基準を業界12年目でクリアする。
その後、7年にわたり現場でMDRT基準をクリアしながら60回を超える講演会をきっかけに300名以上の営業マンの個別指導を行う。
2018年にはMDRT世界大会で講師を務めた。
MDRTは11回連続登録(2020-2022年度はCOT)。
2019年に「ファンツリー・マーケティング」として実践者が例外なく売上げアップを実現する「再現性の高いファン作りの技術」を完全オンライン講座にて確立し、マーケティング会社を設立。
常に最新の成功事例を惜しみなくシェアする「ファンツリー実践会」を主宰し、2021年は100名中50名を超えるメンバーがMDRT基準を達成。初COT・TOT基準達成メンバーも多数輩出している。

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