本記事は、砂田全士氏の著書『「あなたから買いたい！」と言われる熱狂顧客のつくり方』（standards）の中から一部を抜粋・編集しています。
紹介の種を蒔くための鉄板トークの作り方
鉄板トークに不可欠なのはあなたとお客様のストーリー！
ではどうやったら紹介が溢れ出るような鉄板トークが作れるのでしょうか？ それを今からお伝えしていきます。
まず、売れる商品にはストーリーがあるという鉄則です。
商品のストーリーを作る上で大事なのが、あなたのストーリーです。
私がいつも講演で最初にお話しするときには、自己紹介を時系列順に、人生の山や谷になぞらえて話します。
例えば、社会人になって表彰を受けた最初の成功体験。調子に乗って転職後、すぐ壁にぶつかったこと。研修をきっかけに初めて熱狂顧客が育って紹介連鎖が起こってきた成功体験から、一気にどん底で10年以上の借金地獄の時期を迎えた長い暗黒時代。そして、そこからある宣言をきっかけに売り上げが一気に3倍になり、MDRTを達成したこと……。
時系列で自己紹介をしてから、本題を話すようにしています。そうすると、どのポイントから自分は学べばいいのかとか、このポイントは自分のぶつかっている壁と同じだな！ など、ストーリーに自分を照らし合わせながら、講演に興味を持って集中して聴いてもらえるようになります。
これがどう「鉄板トーク」に結びつくのかと思われた方もいると思いますが、私のセミナーを受講してファンツリー実践会にご入会いただく方は、このストーリーのどこかに深く共感していただいているという共通点が見いだせるのです。
少し言葉を変えてみます。あなたが営業して販売している商品、例えば生命保険であれば、あなたのストーリーを聞いて「この人に私の生命保険を任せたいな！」と思わせるようなあなたの経験談や、保険業に対する想い、お客様との関わり方などをアウトプットすることが、非常に重要だということです。
あなたのストーリーを語ることが、今度はお客様が周りの類友にあなたを語るストーリーになります。当然、あなたの仕事で満足していただくことは必須ですが、そこにお客様の感動したポイントがあると、お客様が自分の言葉で別の人に感動を実直に語ることで、あなたのストーリーを彩ってくれます。
あなたのことをつい人に話したくなるようなストーリーを、まずあなた自身が描けていますか？ 自問自答してみてください。このストーリーが何よりも強力なファンツリーの種（自然な紹介依頼）になるのです。
それでは、具体的にストーリーを作っていく手順をお話しします。
まず最初に、あなたが自分の「ワクワクする強み」に気づいたときの話を思い出しましょう。
もう一度、あなたの今までの営業人生の中で最高の商談を思い出してください。あなたが一番伝えたい自分の強みをお客様にきっちりご理解いただき、お客様も心から満足してあなたと契約をしてくれた最高の商談です。その商談にこそ、お客様目線であなたが提供して喜んでもらえる価値が眠っているのです。ここに気づいたときに、多くの実践会メンバーがワクワクが止まらない、自分の一点突破のスタイルを築いていくきっかけになります。
その強みに気づいてから、あなた自身が以前の営業スタイルからどのように今の営業スタイルに変化していったのかという、「あなたのビフォー&アフター」をストーリーでお伝えするのです。ここで必要なことが何度もお伝えしている「お客様の声を聞くこと」なのです。お客様の声にこそ答えがあると思ってください。
お客様の言葉を基に、あなたを紹介したことでどう喜んでもらったかをわかりやすく伝えるために、お客様が類友にあなたを紹介しやすくするトークを考えていきましょう！
下の図の中で、「理想のお客様」があなたの「ワクワク客」だと思ってください。そして「理想の見込客」は「理想のお客様」の「類友」です。「類友」の吹き出しには、悩み事ベスト3が入っていると思ってください。あなたは「ワクワク客」の悩みを解決した助っ人なのです。あなたはその悩み事を「聞いてあげる」「解決を手助けする」「解決してあげる」などしてください。
その悩み事をあなたに解決してもらったワクワク客が、同じような悩み事を抱えている「類友」の話を聞いたら、当然解決してあげたいと思ってあなたのことを話しますよね。しかも実感を込めて！
そうすると価値観の近い類友の悩みを解決に導いた助っ人のあなたとのストーリーを聞くと、「そんな人がいるなら私もぜひ紹介してよ」となるわけです。
こんな簡単なことを、まずほとんどの営業マンが言語化していないのです。逆に言うと、これさえ言語化すれば、あなたのことをワクワク客が類友に紹介する自然な紹介が溢れ出すということなのです。1時間、2時間でも時間を投資する価値がありますよね。
では具体的な事例ひとつ、紹介しましょう。
- 【理想のワクワク客】
- 30代のご夫婦（できれば共働き）
- ドクターか上場企業勤務
- できれば地方出身（国立大学出身の高学歴の方が多い）
- お子さんが幼稚園くらいで、これから幼稚園・小学校・中学校のうちのどこかで受験をしたいと考えているお客様
ワクワク客が類友に対して、こんな話をします。
「そうそう、このあいだ家に保険の営業の方が来たのね。その人、保険のことはもちろんなんだけど、すごく受験とか教育に詳しくて、ほら、ウチなんか子供がまだ小さくてあんまりわかってないじゃない、特に2人とも地方出身だし。
なので、その人がいろいろ受験のこととかも教えてくれながら、すごい大学ってお金がかかるのね！ だからその辺りのことも含めてこんなにお金が掛かるってことを……ウチの旦那に話をしてくれたの！
ウチなんか旦那が今までホント考えてくれてなくって、どうしようかって迷ってて私の方が困ってたんだけど、それを問題解決をしてもらえたの！
もし良かったら紹介するので、1回話を聴くと受験とかどこでするかということを含めて相談に乗ってくれるので、良いと思うんだけどどうかしら？」
いかがでしょうか？
これは実際に勉強会でこのロープレをしてもらったときの実例です。まず第一に、ワクワク客の設定がいかに大事かということです。
このワクワク客に喜んでもらえる価値を提供し、それがお客様の感動につながっていると、お客様は感動を実感込めて自分の言葉で伝えてくださるようになります。
この例でいくと、お客様の悩みは、ご主人が一緒に受験のことを考えてくれないということですよね。
そんな中、あなたと出会ったことでご主人も一緒に受験のことを、そして将来のことを考えてくれるようになった。一番の悩みを解決してくれたわけです！ だったら仲の良い友達とランチのときに、お友達も同じ悩みを抱えているのを聞いたら教えてあげたくなりますよね。
この紹介ロープレが最初にお伝えした実践して結果が出た喜びの声なのです。要はお客様目線で、お客様があなたに会えて良かったということを、感動込めてお客様の言葉で伝えていただくロープレ、これがファンツリーの種（自然な紹介依頼）の最も大切な言語化なのです。
このロープレをファンツリー実践会ではワークで毎月やっていますし、うまくいっている人は周りの後輩、同僚を巻き込んでこのロープレをきっちりしています。そのためには、あなたがどうお客様に喜んでいただいたかという声を集めることができてない限り、このロープレは机上の空論になってしまうのです。
ですから、お客様にきっちりと「あなたに任せた理由」のフィードバックをもらっているかどうかということが、本当に大事なのです。
お客様の声にこそ、自然な紹介が溢れ出る秘訣が詰まっています。ぜひお客様の声に真剣に耳を傾ける習慣を作っていきましょう！
お伝えしてきたことも、もちろん私の教育事業のメンターのTTPです。その教育事業のメンター、小林正弥氏の言葉をお伝えしたいと思います。
「人は自分の事を考えると悩み、顧客の事を考えると知恵が出る」
あなたが一生かけて幸せにしたい、成功させたいワクワク客が定まったとき、あなたが本当にやるべきビジネスは始まります。あなたの成功させたいワクワク客は定まりましたか？
- まとめ
- 「ワクワク客」があなたの強みに感動した喜びの声が鉄板トークの原点。
まずは成功させたい「ワクワク客」を定めて言語化を進めよう！
1999年同志社大学法学部卒。
カード会社勤務を経て23歳で転勤先の熊本で外資系生命保険会社に転職するもすぐに見込客開拓に行き詰まり、1,000万円を超えるカードローンを抱えて自転車操業というどん底を長く経験。
そんな中、34歳のときに「顧客管理」を独自ルールに基づいて実践することで、1年でたった1人のお客様から100名を超える契約を獲得。400万円以下だった売上は1,500万円を超え、生命保険業界トップ6％のMDRT基準を業界12年目でクリアする。
その後、7年にわたり現場でMDRT基準をクリアしながら60回を超える講演会をきっかけに300名以上の営業マンの個別指導を行う。
2018年にはMDRT世界大会で講師を務めた。
MDRTは11回連続登録（2020-2022年度はCOT）。
2019年に「ファンツリー・マーケティング」として実践者が例外なく売上げアップを実現する「再現性の高いファン作りの技術」を完全オンライン講座にて確立し、マーケティング会社を設立。
常に最新の成功事例を惜しみなくシェアする「ファンツリー実践会」を主宰し、2021年は100名中50名を超えるメンバーがMDRT基準を達成。初COT・TOT基準達成メンバーも多数輩出している。※画像をクリックするとAmazonに飛びます
