この記事は、2023年3月6日に三菱UFJ国際投信で公開された投資環境ウィークリーを一部編集し、転載したものです。全体をご覧になりたい方は、こちらをご覧ください。加えて、デイリーレポートについては、mattoco lifeをご覧ください。

投資環境ウィークリー
(画像=WrightStudio/stock.adobe.com)

目次

  1. 外需の悪化で生産指数は大幅低下
  2. 小売販売は自動車、家電等が好調
  3. 消費者物価はエネルギー補助金効果で減速
  4. 日経平均株価は3週間ぶりに上昇

外需の悪化で生産指数は大幅低下

1月の鉱工業生産指数は前月比▲4.6%と3カ月ぶりに低下しました(図1)。業種別にみると、自動車工業、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業等が大きく低下しています。輸出数量も大きく減少しており、輸出比率の高い品目の減産が目立っています。

外需が落ち込み生産が大幅減少
(画像=三菱UFJ国際投信)

ただし、中国で春節が1月にずれた影響で輸出が下振れした事には留意が必要です。製造工業生産予測によると、2月は前月比+8.0%(補正値は同+1.3%)、3月は同+0.7%が見込まれています。

国内では半導体不足の緩和などにより自動車生産が持ち直しています。他方、輸出向け製品の生産は米欧の景気減速によって今後も伸び悩む見込みです。先行きは外需の縮小を国内向け製品の生産が支える見込みです。

小売販売は自動車、家電等が好調

1月の小売販売額は前月比+1.9%と2カ月連続で増加しました。半導体不足緩和による自動車、家電の販売増が目立ちました。また、2月の消費者態度指数は31.1と1月の31.0からほぼ横ばい、構成項目では雇用・所得関連が改善する一方で期待インフレ率の上昇から「暮らし向き」が悪化しました。

小売販売額はガソリンや食品価格の上昇により増加してきましたが、今後はインフレ鎮静化と賃上げによる数量を伴った消費回復が期待されます。

消費者物価はエネルギー補助金効果で減速

2月の東京都区部消費者物価は、電気・ガス代に対する政府補助金効果を主因にエネルギー価格の寄与が縮小し、生鮮食品を除く総合の前年比は1月:+4.3%から+3.3%まで低下しました(図2)。

2月の消費者物価はエネルギーの伸び率が低下
(画像=三菱UFJ国際投信)

一方で生鮮食品・エネルギーを除く総合は食料価格が押し上げ、1月:+3.0%から+3.2%となりインフレ圧力の高まりを示しました。2月全国消費者物価は3月24日に公表され同様の結果が見込まれます。

日経平均株価は3週間ぶりに上昇

先週の日経平均株価は週間で+1.7%と3週間ぶりに上昇しました。大幅利上げ観測から米金利が上昇し、グロース(成長)銘柄が売られる場面がありました。他方、円安により自動車など輸出関連、中国の経済再開期待で機械や素材関連が買われました。

昨年10-12月期の法⼈企業統計では、大企業全産業の売上⾼が前年比+7.9%、経常利益が同+6.4%とそれぞれ鈍化しました(図3)。

大企業製造業の経常利益が9四半期ぶり前年割れ
(画像=三菱UFJ国際投信)

経常利益は非製造業が同+31.8%と大幅増となるも、製造業が同▲17.8%と9四半期ぶりの減益でした。製造業の売上⾼経常利益率は高水準を維持していますが、⾜元の⽣産停滞を考えると利益の下振れには注意が必要です。

三菱UFJ国際投信株式会社
戦略運用部 経済調査室 シニアエコノミスト
向吉 善秀