この記事は2023年3月15日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=weyo/stock.adobe.com)

2023年3月15日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

シリコンバレーバンク(SVB)やシグネチャー・バンクなど米銀の経営破綻を背景に来週22日(水)に行われるFOMCで50bpの利上げは消滅し、ターミナルレートは結局5%を超えられず、年内複数回の利下げを織り込み始めた。

マーケットのテーマが「インフレ退治」から「金融機関の安全問題」にシフトしたことを物語っている。 昨日14日(火)の米CPIが無難に終わり、SVB破綻も影響は限定的との声も聞こえてくるので、マーケットは少し落ち着きを取り戻しているが、まだ金融関連のヘッドラインには過敏なマーケットが続くだろう。

また、本日15日(水)は米小売売上高とPPI(生産者物価指数)、明日16日(木)はECB理事会があるほか、来週22日(水)にはFOMCとビックイベントが目白押しだ。

注目のFOMCではCMEのFedwatchを見ると25bpの利上げ確率を80%程度織り込んでいる。今週からFRBがブラックアウト期間に入っているため、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のFEDウォッチャー・ニック・ティミラオスが何か言わない限り25bpの利上げが既定路線になるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は米経済指標や金融関連のヘッドラインに振らされる展開になるが、軸足はダウンサイドに置いておきたい。

銀行救済などヘッドラインが流れれば瞬間ドル高で反応するが、破綻の連鎖を止めるべくFRBがマーケットに寄り添うのであれば、米金利は上がってこない。したがってドルが上昇したところは売れるのではないかと考えている。

また、明日16日(木)のECB理事会も大きなヒントになるかもしれない。ラガルドECB総裁は、3月の50bp利上げと利上げ継続を示唆し続けてきたが、相次ぐ米銀破綻を受けて引締めペースを緩める決定を下す可能性は低くない。ECBが利上げの手を緩めるならば、各国中央銀行でも引締めペースの鈍化が強く連想されるだろう。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。