この記事は2024年1月9日に「第一生命経済研究所」で公開された「都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2023/12)」を一部編集し、転載したものです。

サービスインフレの影響で利上げ停止は依然不透明
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目次

  1. 都区部版の3指標はいずれも伸び率低下

都区部版の3指標はいずれも伸び率低下

以前のレポート(末尾の参考文献参照)で試算した東京都区部版の基調的インフレ率3指標について、本日公表の12月都区部CPIを用いて計算した。刈込平均値(全国ウェイト換算)は11月:+2.6%→12月:+2.4%、加重中央値(全国ウェイト換算)は11月:+1.0%→12月:+0.9%、最頻値は11月:2.8%→12月:+2.3%となった(いずれも前年比)。11月と同様に、3指標いずれの指標も伸び率は低下している。

全国CPIの日銀試算値においても、11月の刈込平均値・加重中央値・最頻値はいずれも伸び率が低下した。筆者試算の都区部の値と日銀試算の全国の値は、上昇品目やウェイトの違いなどから一部水準に乖離はみられるものの、方向感は一致している。今回筆者試算値を踏まえると、12月の日銀試算値もディスインフレが着実に進んでいることを示す結果となりそうだ。

現状、2%を超えている刈込平均値や最頻値も先行き2%を割れることが予想される。マーケットでは4月のマイナス金利解除が有力視されているが、少なくともこの時点で「2%インフレ目標達成」を理由に解除に踏み切ることは難しいだろう。解除に踏み切る際には「行き過ぎた緩和の是正」などその他の理由付けにならざるを得ないとみている。

第一生命経済研究所
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第一生命経済研究所 調査研究本部 経済調査部 首席エコノミスト 永濱 利廣