◉インドネシア
「イスラム国家」として堅実なイメージのある同国ですが、名目GDPだけ見ても80年代から堅調に右肩上がりを続けている非常に魅力的な国の一つです。一人当たりGDPも昨年時点で3000ドルを超えていることから、内需のさらなる拡大が期待されています。
【参考】
総資産100兆円?〜世界を動かし始めるイスラム金融についてのまとめ〜
インドネシアの企業構成は、90年代後半に起きた「アジア通貨危機」と「スハルト政権崩壊」というダブルショックにより大きく変容しました。その後、中小銀行が破綻し、有力企業の国有化が進めめられたのです。
過去の企業情報よりも、「今を生き抜いた企業」を4社ほどご紹介したいと思います。
インドネシアを代表するエネルギー関連の専門商社です。国内に広い輸送ネットワークを有し、盤石な事業基盤を確立している1994年の国営企業です。インドネシア国内の他、中国などにも生産設備を有しています。
前述のダブルショックを乗り越えたインドネシア最大の国営銀行です。以前からあった4つの銀行が合併してできた銀行で、2003年に上場しました。旧態依然とした金融ビジネスだけでなく、事業の多様化を計っており、最近では、高速道路料金の支払いのEトールカードやガソリン支払い用のガスカードなどカード事業会社との提携を進めています。要注目の銘柄といえるでしょう。
インドネシア最大の重機販売会社。他にも石炭採掘ビジネスなどの鉱業分野でも活躍しています。日本企業とも親交が深く、もともとコマツ(6301)の独占販売店として1972年に設立、89年に上場しています。現在でもこの提携は続いており、一種の「コマツ銘柄」と考えてもいいかもしれません。
ユニリーバ・インドネシアは、石鹸やシャンプーなどの一般消費財に加え、スナック菓子・果汁入り飲料といった食品も手がける大手メーカーです。約70年に渡る同社の歴史の中で一時的に独立資本となった時期もありますが、ユニリーバが親会社として85%の株式を保有しています。1982年に上場。現在は、中低層の消費者向けに「フェアー&ラブリー」と称するスキンケア製品を展開しています。
以上、本日はマレーシアとインドネシアに絞って注目銘柄の紹介をお届けしました。
次回以降、その他の国についても情報をお届け予定です。
BY H.T