本記事は、山口 貴大(ライオン兄さん)氏の著書『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。
「資産を持たないと損」は理論的に証明された
今、世界では「お金持ち」と「そうでない人」の二極化が進んでいます。
お金持ちはますますお金持ちになり、そうでない人はますますお金がなくて苦労するという格差社会が世界中で顕在化し、社会問題になっています。
その理由を世界中に知らしめたのが、2014年に世界的ベストセラーとなったフランスの経済学者トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』という本です。
日本語版は728ページ・定価5,500円(税別)という難解で高額な本であったにもかかわらず、13万部を超えるヒットとなりました。
この異例の大ヒット本の中核をなす主張がまさに、今後「お金持ち」と「そうでない人」の二極化が進み、その差は大きく開いていく、ということでした。
ピケティ氏はそれを次のように表現しています(図11参照)。
長期的に見ると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい。
「r(資本収益率)」とは、株式投資や不動産投資などによる利益、配当、利子、賃料などといった資本からの収入を、その資本の総価値で割ったものです。
「g(経済成長率)」とは、所得やGDPなどの伸び率のことです。
すなわち「r>g」とは、「資本所得の伸び率は賃金の伸び率を上回る」ということです。
資本所得は、資産を持っている人(=資産家)でないと得ることができません。
つまり「r>g」とは、「資産家(=お金持ち)はより裕福となり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」ことを意味しているのです。
ピケティ氏はその差を埋めるためにはどうしたらいいか、ということについての論を『21世紀の資本』の中で展開しているのですが、それについてはここではあえて触れないこととします。
それより「資産を持っていないと損!」ということが、理論的にも証明されていることに目を向けていただきたいと思います。
年収500万の会社員が資産1億円を築く方法
お金持ちになることができるのは、株やビットコイン、不動産など、現金以外の資産を持っている人たちです。
では、なぜ資産価値は上がり続けるのでしょうか?
1つだけ覚えておいていただきたいことがあります。
それは世界随一の大国アメリカの政府が、自国の株価が上がり続けるよう、金融政策と財政政策を両輪で回しているということです。
もっとわかりやすく、ざっくりいってしまうと、アメリカがうまくかじ取りをしてくれているおかげで、リーマンショックやコロナショックのような世界的規模の経済危機が訪れても乗り越えることができ、それゆえに株式などの資産価値が上がり続けているのです。
その恩恵をちゃんと受けられるような準備さえすれば、誰でもお金持ちの仲間入りをすることができます。
2019年に金融資産を1億円以上持っていた人は50世帯に1世帯いて、なおかつそのうちの4分の1は年収500万円以下の会社員であるという調査報告もありました。
資産1億円以上を保有する人は全世帯の2%で、そのうちの4人に1人が年収500万円以下ですから、全体で見ると、年収500万円以下でも資産1億円以上の人はざっと200人に1人。
むろん、その中には親の遺産や保有不動産からの賃料収入で生活している「もとからお金持ち」も含まれるでしょう。
しかし、その割合が今後も続くなら、今は年収が低くて資産の少ない人でも、200人に1人には富裕層の仲間入りができるチャンスがあるのです。
その1人に、あなたがなれない理由はどこにもありません。
では、どのようにして年収500万円以下の会社員が資産1億円以上を築けたのでしょうか?
それは彼らが、貯蓄のうまい「蓄財優等生」だったからです。
どんなに収入が高くても、その収入の大半を消費に使ってしまうと富裕層にはなれません。稼いだ収入のうち、できるだけ多くの比率を、株式投資を含めた貯蓄に回して、賢く上手に増やすこと。
これこそが、資産1億円以上の富裕層になるために必要なことなのです。
蓄財優等生はFIREを達成するうえでお手本となる人たちです。
年収300万円でもそんな優等生になってFIREする方法を、詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
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