この記事は2024年12月18日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Haru Works/stock.adobe.com)

2024年12月18日(水)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

年内最後のビッグイベントとして注目が集まるFOMCと日銀金融政策決定会合を前に、昨日17日(火)は持ち高調整と見られるドル売り・円買いが優勢となった。

米11月小売売上高は個人消費の底堅さを示したものの調整売りは止まらず153.16円前後まで下落する場面もあった。

現在の為替相場の戦略やスタンス

FOMCは明日19日(木)日本時間未明、大方の予想通りに25bpの利下げを発表する公算が大きい。ただし、利下げ自体はすでに織り込み済み。市場の関心は来年の利下げペースに向けられおり、声明と同時に発表される経済予測の政策金利見通し(ドットチャート)に注目が集まっている。

9月時点のドットチャートでは2025年末のFF金利水準を3.375%と予測していた。これは2025年の利下げが25bp×4回のペースになるとの見方を示したものであり、今回の見直しで3回以下に修正される可能性が高い。もっとも、米金利先物はすでに来年の利下げが25bp×2回に減少するとの見方を織り込んだ水準で推移している。このためFOMCの予測が修正されても、米金利上昇とドル高方向へのサプライズにはなりにくいと考えられる。

パウエルFRB議長がタカ派的なトーンの記者会見を行う可能性も否定はできないが、今回のFOMCがドル高・円安を加速させる公算は小さいと見ている。

仮に16日高値(154.48円前後)を超えても心理的節目の155.00円を突破するのは難しいだろう。

一方で、明日19日(木)は日銀が追加利上げを見送り植田総裁が利上げは「データ次第」の姿勢を強調すると予想されることから、ドル安・円高方向への動きも限られそうだ。日足一目均衡表の雲上限(152.64円前後)が下値支持として機能するだろう。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。