本記事は、菊原 智明氏の著書『うまくいく人の時間の使い方』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

仕事にはそれぞれ適した時間帯がある
私自身、長期にわたり時間の使い方についてトライ&エラーを繰り返してきました。効果があったものはそのまま続け、ダメだったものはやめるか改善していきます。
朝早くに出社するようになり、さらに効率的に仕事を進めようと試行錯誤をしているうちに成果も上がり、さらに時間術もどんどん身についていきます。その時点で午前中にほとんどの仕事が終わるまで成長していたのです。
そうなると、午後は時間に余裕が生まれてきます。
何もしないのでは時間の無駄なので、私は裏方のスタッフさんやパートナー会社の方とのコミュニケーションを午後にとるようになりました。もちろん、仕事の邪魔をしないようにですが。
はじめこそ「暇だから顔を出してみるか」といった軽い気持ちでした。とくにリターンを求めていなかったものの、このコミュニケーションによって格段に周囲の人たちとの関係性が良くなりました。結果的に周囲が今までの何倍も私に協力してくれるようになったのです。
自分の周りに協力者や味方が増えれば百人力です。ミスをカバーしてくれますし、クレームになったとしてもみんなが手を差し伸べてくれます。こうして、さらに仕事がうまく回るようになっていきました。
当然、すべての仕事が就業時間内に終わるようになります。早く帰って早く寝るようになれば、自然と早起きになります。朝活の時間もどんどん増えて、仕事が前倒しになっていきます。こうして仕事の効率が最高の状態になっていったのです。
この頃、仕事にはそれぞれ適した時間帯があるということに気づきます。
朝には朝に向いている仕事があり、午後には午後に向いている仕事があるのです。それを実感していたものの、学術的な裏付けには出合っておらず、自分の感覚的なものとして捉えていました。
そんなある日のこと。フィジカルについての本で「3サイクル理論」に出合います。
この3サイクル理論を自分の仕事に当てはめてみたところ、さらに取り組んでいる内容がスムーズに進んでいきます。そうしてまた一歩〝時間術マスター〟に近づいたのです。
人は3つのサイクルで動いている
では、3サイクル理論の3つのサイクルについてお話しします。
まず、1日(24時間)を8時間ごとに3分割します。
人の体は8時間ごとに排泄(アウトプット)、摂取(インプット)、吸収(アブソーブ)の3サイクルで回っていると考えます。
食べる、活動する、寝るといった人間の活動には、生理的に適した時間帯があるのです。その時間帯が8時間ごとに1日に3つあるという訳です。これは、もともと人間に備わっている活動サイクルです。
仕事が早い人、効率よく仕事ができる人というのは、意識的か無意識かは別として、この体が持っている活動サイクルと仕事内容をうまくマッチさせていると考えられます。
私はこの3サイクル理論を知ったとき「あぁ、だからあの時間帯では頭が働かなかったんだな」と理解できました。
この体の活動サイクルやメカニズムを知ると、その時間帯に合った活動をするように、日々の行動も変わっていきます。学者レベルまで詳しくなる必要はありませんが、ある程度知っておけば、その時間帯でストレスなくスムーズに体や頭が働くようになります。
3サイクルの時間帯は次のようになっています。
3サイクル(24時間を3つに分ける)
①排泄のサイクル(4時〜12時・アウトプットの時間)
排泄する機能がもっとも効率よく促進される時間帯
②摂取のサイクル(12時〜20時・インプットの時間)
食べ物をとり入れて消化する時間帯
③吸収のサイクル20時〜4時・アブソーブの時間)
食べ物の栄養を吸収していく時間帯
この3つの時間帯に体や頭が働きやすい生理的活動が割り振られています。
このことを知り、その時間帯に合わせた働き(活動)をすると作業等の効率化が加速していくと思っています。

群馬県高崎市生まれ。
群馬大学機械科卒業後トヨタホームに入社、営業の世界に入る。
7年間、苦しい営業時代を過ごすが、お客様へのアプローチを訪問から営業レターに変えたことをきっかけに4年連続トップ営業となる。約600名の営業トップとなり、社のMVPを獲得。
2006年に独立、営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在は、経営者や営業向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行い、これまで15000名以上を指導。
2010年より関東学園大学講師も勤めている。
主な著書に、『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』(明日香出版社)、『トップセールスが使いこなす!“基本にして最高の営業術”総まとめ 営業1年目の教科書』(大和書房)、『思考・行動・結果が劇的に変わる 営業力の基本』(総合法令出版)など。2024年までに80冊を出版。ベストセラー、海外での翻訳も多数。
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