本記事は、菊原 智明氏の著書『うまくいく人の時間の使い方』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

クオリティを持続させるために〝さぼりタイム〟を入れておく
時間を効果的に使うと聞くと「1分も無駄にせずキッチリ働く」といったイメージをもつ方もいるでしょう。それができるに越したことはありませんが、人の集中力はそう長く続くものではありません。
何時間もぶっ通しで仕事をすれば疲れて効率が落ちてきます。疲れて集中力が切れた状態では仕事はうまく進まないものです。そんなときは思い切って休憩を入れたり、息抜きをしたりした方がクオリティの高い仕事ができます。
そのために、まずは〝どのタイミングで集中力が切れるのか〟というパターンを知っておくことから始めてほしいのです。
- 2時間仕事を続けると効率が下がる
- ランチを食べると集中力が落ちる
- 夕方は細かい仕事が進まない
こういった時間を見つけ、最適化するのです。
私は毎日同じ時間に同じような仕事をしているため、集中力を保ちながら仕事ができる方です。しかし、飲み会が続いた日や睡眠のリズムが狂ってしまった翌日は、仕事がはかどらないときがあります。そういったときのために対策をとっています。
通常パターン
「ブログ更新」→「原稿を書く」→「メールの返信」
日によって多少異なりますが、通常の仕事の流れはだいたいこのような感じです。しかし、コンディションが整わない日もあります。集中力が続かない日は次のようにパターンを変えます。
調子が出ない時
「ブログ更新」→【スポーツニュースをチェックする】→「原稿を書く」→【コーヒーを飲む】→「メールの返信」
というように、仕事と仕事の合間に〝サボりタイム〟を挟んでいきます。こうすることで、いい気分転換になり集中力が戻ってくるのです。
私は調子の悪いときだけでなく、集中力を持続させるために計画的にサボりタイムを入れたりもしています。例えばですが、〝この仕事が終わったらゴルフ動画を見よう〟と計画し、それを目標に頑張るのです。いわゆる〝ニンジンをぶら下げる〟ということなのですが、これが思いのほか集中力を高めるのに効果的です。
私の知人はゲーム好きで、仕事をしている最中に「あぁ、ゲームをしたいなぁ」と考えてしまっていたそうです。こういったことは考えないようにしようと思えば思うほど考えてしまうもの。そこで〝この仕事をやったらスマホゲームを5分やる〟とサボりタイムを設定したところ、仕事の処理スピードが大幅にアップしたと言います。
集中力を持続させるためにサボりタイムを入れておく。ぜひお試しください。
数分の休憩が集中力を劇的に回復させる
今まで何度も午前中は仕事に集中できるというお話をしました。余計なことをせず、一気に仕事を進めてほしいのです。とはいえ仕事をずっと続けていると集中力は落ちていきます。前項でも触れましたが、〝休憩なしで何時間も仕事に没頭する〟というのは難しいのです。
仕事を続けていると疲れも出てきて、どうしても雑になってきます。時には「こんなもんでいいや」とやっつけ仕事になることも。こうなるとせっかくのあなたの能力が発揮できなくなるのです。
疲れが出るとキレが悪くなり、いい仕事ができなくなります。「あぁ、いいものができないなぁ……」という状態でじっとパソコンに向かっていても、時間の無駄です。仕事をしていて「ちょっと集中力が落ちてきたな」と感じたら積極的に休憩をとるようにしてください。
ちょっとしたブレイクタイムをとりましょう。仕事中にできることでいいのです。例えばこのような行動をとるだけでも効果があります。
- お茶やコーヒーを飲む
- 目をつぶって深呼吸する
- 歯を磨く
- 好きなおやつを1つ食べる
- 軽いストレッチをする
数分でもかまいません。どんなことでもいいのでとにかく一服入れてほしいのです。
わずかな時間だとしても気持ちがリセットされ、集中力が高まってきます。私はよくストレッチを始めた瞬間「そうか、あれがいいぞ!」とひらめくことがあります。定期的にリフレッシュすることが時間短縮につながるのです。
「ちょっと集中力が落ちてきたな」と感じたら積極的に休憩をとってください。どんな短い時間でもかまいません。適度に休憩をとることで集中力は格段に回復します。

群馬県高崎市生まれ。
群馬大学機械科卒業後トヨタホームに入社、営業の世界に入る。
7年間、苦しい営業時代を過ごすが、お客様へのアプローチを訪問から営業レターに変えたことをきっかけに4年連続トップ営業となる。約600名の営業トップとなり、社のMVPを獲得。
2006年に独立、営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在は、経営者や営業向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行い、これまで15000名以上を指導。
2010年より関東学園大学講師も勤めている。
主な著書に、『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』(明日香出版社)、『トップセールスが使いこなす!“基本にして最高の営業術”総まとめ 営業1年目の教科書』(大和書房)、『思考・行動・結果が劇的に変わる 営業力の基本』(総合法令出版)など。2024年までに80冊を出版。ベストセラー、海外での翻訳も多数。