本記事は、菊原 智明氏の著書『うまくいく人の時間の使い方』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

ベタだけど効果的な「やることリスト」活用法
無駄な寄り道をせず、すぐに仕事に取りかかれるツールとして、「やることリスト」があります。ご存じの通り、手帳など紙のメモか、スマホなどデジタル機器にやるべき行動を箇条書き等(リスト化)で記入したものです。
やることを見える化することで、仕事の時短化・効率化において非常に効果があります。
仕事に取り組む際、やることが決まっているのと決まっていないのでは大違いです。「やることリスト」は、いいスタートを切るための最高のツールになります。
例えば、やることリストの内容に〝スタッフに依頼内容の変更について確認する〟という内容があったとします。その仕事自体は些細なことかもしれません。しかし、すぐに行動したことが呼び水となり、他の仕事も積極的にしたくなるものです。ちょっとした行動が起爆剤となり、自分にスイッチが入りエンジンがかかることもよくあります。どんな些細な内容のことであっても、まず一つ仕事をスタートさせることに意味があるのです。
仕事の効率化及び時間短縮するためには、朝からエンジンを全開にさせる必要があります。
あなたが朝から気持ちよく仕事ができる日のことを思い出してください。仕事がスイスイと進んだ日は、いいスタートを切っているはずです。
その逆に「今日は何をしようかなぁ」などとゆっくりしているうちにサボってしまったが後から盛り返した、なんてことは少ないはずです。
朝一番にエンジンが全開になれば、仕事はあっという間に終わってしまいます。
そのためにやることリストが必要なのです。
さらに「やることリスト」は、日中の仕事でも活用できます。私は、仕事をしていて途中で〝予期せぬ仕事〟が入ったりすると、ペースを乱されることがよくありました。「これもすぐにしなくては。そうだあれもやっておかないと……」と思っているから目の前の仕事に集中できません。気持ちばかり焦るだけで、少しも仕事が進まないのです。そしてやりたい仕事がどんどん遅れていきます。散漫な精神状態ではうまく仕事が進まなくなるのです。
そんなときにやることリストに用件を書き込みます。メモをするだけでも気分が楽になります。
また新しい仕事が舞い込んできたり、やっていないことを思い出したりしたら、リストに追記します。
そして終わったら消します。この繰り返しです。
このようにやることリストを活用することでストレスもなくスムーズに仕事が進んでいきます。
やることリストは朝から自分をトップギアに入れてくれ、仕事中の頭の中を整理してくれる素晴らしいツールです。
より価値の高い時間に変えるためにもぜひご活用ください。
「やることリスト」をバージョンアップさせる
「やることリスト」をもう一歩バージョンアップした使い方についてお話します。
まずは1日にやることをリストアップします。
例えば、次の3つを書いたとします。
- 書類を整理する
- 報告書を作成する
- メールチェック
このように書いておけば、やることがハッキリします。そして、サッと仕事に取り組めるのです。やることリストを使うと使わないでは大違いで、効率よく行動できると実感できます。
あるとき、知人から「やることリストに予定時間を入れるといい」と教えてもらったことがあります。試しにやってみたところ、さらに効果を感じました。
先ほどのリストであればこのように追記します。
- 書類の整理15分
- 報告書の作成25分
- メールチェックをする20分
やることリストに予定時間を設定すると集中力は一層高まります。
「ぼちぼち書類整理でもするか……」と漠然と行動するより、時間が決まっていた方が無駄な時間を大幅にカットできるのです。
内容によっては予定していた時間通りに終わらない場合もあります。それでも何の問題もありません。ここで重要なのは制限時間を設定して守ることを意識するのです。
また、具体的な仕事がないときにも活用できます。
例えば11時から12時まで1時間空いているとします。なんとなく過ごしてしまうと何も生み出さない時間になってしまいます。
そうではなく、簡単に予定を立て、リストとして書き出します。
0〜20分午後の計画を立てる
21〜40分溜まっている書類を読み込む
41〜60分パソコンの整理
などです。
このように3等分くらいに分けて書き込むのです。これだけで空いている1時間が活きた有意義な時間になるのです。
やることリストのバージョンアップとして、【やることリスト+予定時間を入れる】をぜひお試しください。
間違いなく効果を感じていただけると思います。

群馬県高崎市生まれ。
群馬大学機械科卒業後トヨタホームに入社、営業の世界に入る。
7年間、苦しい営業時代を過ごすが、お客様へのアプローチを訪問から営業レターに変えたことをきっかけに4年連続トップ営業となる。約600名の営業トップとなり、社のMVPを獲得。
2006年に独立、営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在は、経営者や営業向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行い、これまで15000名以上を指導。
2010年より関東学園大学講師も勤めている。
主な著書に、『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』(明日香出版社)、『トップセールスが使いこなす!“基本にして最高の営業術”総まとめ 営業1年目の教科書』(大和書房)、『思考・行動・結果が劇的に変わる 営業力の基本』(総合法令出版)など。2024年までに80冊を出版。ベストセラー、海外での翻訳も多数。
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