この記事は2025年5月15日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

2025年5月15日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日14日(水)は、韓国ウォンの急伸をきっかけに米ドル/円が下落。145.61円前後までドル安・円高が進行した。
米国と韓国が為替に関する協議を行っていたことが明らかになり、米国が貿易交渉の一環として対米黒字国に通貨安是正を要求しているとの思惑が高まった。
米政府関係者がドル安誘導の意図はないことを表明したため、ひとまずドル売りの動きは収束したが、米ドル/円の戻りは147円台前半までにとどまり146円台後半で取引を終えた。
市場では「貿易赤字の削減を目指すトランプ米政権はドル安志向」との思惑が根強いようで、昨日14日(水)の動きはドルの先安観が強いことを物語っている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
足元の市場は、ドル売り材料を欲しているとも言えそうで、本日15日(木)のNY市場で発表される米4月小売売上高や米4月生産者物価指数の下振れには警戒が必要だろう。
ただし、FRBのジェファーソン副議長は昨日14日(水)、「関税引き上げは今年のインフレ率上昇につながる可能性がある」と述べて、利下げを急がない姿勢をあらためて示した。
高金利のドルを売って低金利の円を買うポジションの保有を続けるには、高い「金利差コスト」がかかる。そう考えると、米ドル/円はきっかけがあればショートカバーが出やすいと見ることもできる。
ドルの先安観が強いことが、むしろ大幅な反発を招くリスクにも注意すべきだろう。
▽米ドル/円 日足チャート

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。