②年間100万円分の買い付けしか適用できない~回転売買には全く向かない〜
そうです、どんなにがんばっても年間100万円分の買い付けにしか非課税として適用されないのです。
ちなみに皆さんご存知のユニクロを運営しているファーストリテイリング(9983)の株式は、1株およそ30,000円程度、最低株数が100株となっているので、最低でも300万円以上の買い付け金額が必要になります。
そう、100万円程度の枠では自分の欲しい株を買えないこともよくあるのです。
NISAの本来の目的は、投資経験がほとんどない投資家に小口から投資をしてもらう、ということとはいえ、小口の捉え方などは人によりけりなので、やはり100万円というのは少なすぎる気がします。
しかも「1年間で100万円まで」なので、ある銘柄を買って、売って、その資金でまた買う、とした場合に、1回目と2回目の購入の合計が100万円を超えたらアウトです。つまり、短期売買には全く向かないのがNISA口座と言えます。
ちなみにもう一つの特徴として「投資してから5年間内の売却益が非課税」というのがあるのですが、それならばいちいち中長期投資として株で一喜一憂するのは嫌なので、株ではなく債券でも買っておくかとなる人もいるかもしれません。
しかし、、。
③投資対象は上場株式と投資信託のみ〜債券は買えない〜
債券はNISAの対象外なのです。つまり、「株か投資信託を、長期で保有しましょう」というコンセプトなのです。なので、どちらも当然債券よりもリスクがある訳ですが、それらについて5年間上昇し続ける可能性が高いものに投資すべきということになります。
今のご時世、株や投信だけでなく、株式先物やFXなどのデリバティブ投資や、また債券でも社債や仕組み債など多様な商品がある中で、株・投信にしか投資できないのがNISA口座という訳です。
そういう意味では、ある程度投資経験のある、かつ投資資金がそれなりにある方にはNISAは向いてないのかもしれません。
◉「非課税」におどらされてはいけない
というわけで、NISA口座はいろいろ制約が多く、かつ始めるための手間がかかるだけでなく投資上限額も多くないので、本当に預金感覚で置いておきたいところではありますが、そういった商品は今回のNISA口座の対象外になっているので、「非課税だから」という理由だけで、リスクを十分に理解しないまま安易なリスク投資をされないようお気をつけ下さい。
非課税で浮く税金の額以上に、投資で損してしまったときに発生する可能性のある損失額の方が遥かに大きいのですから。
BY gel