ハイパーインフレ抑制のため高金利政策を継続

投資家の見方ではトルコリラは高金利通貨に属する。新興国通貨が高金利なのはあまり珍しいことではないが、トルコリラが高金利なのは2000年代半ばまで続いたハイパーインフレが深く関係している。ハイパーインフレを抑制するために政策金利を高く設定し、外国からの投資を呼び込んでトルコリラの国際的な価値を高めた政策が功を奏し、現在はFX投資家の間でも投資妙味のある高金利通貨として認識されている。現在の政策金利は7.75%(2015年1月現在)。

特に日本はゼロ金利政策が継続中なので、トルコリラ円の買いポジションでは高いスワップポイントが続いている。中長期的なスワップトレードでは豪ドル円と並ぶ好成績を残しており、今後は豪ドルやNZドルに向いていたスワップ狙いのマネーが、トルコリラに相当量流れるかも知れない。


流動性が低く、急激な値動きに対するリスク管理が必要

国としての安定感、経済成長のポテンシャルの高さ、高金利政策によってトルコリラへの関心は高まっているが、あくまでも新興国通貨であることも忘れてはならない。流動性が低いため、ちょっとした経済トピックによって大きく変動することも少なくなく、テクニカル主導の値動きにも翻弄されやすい。また、欧州への依存度が高いため、昨今の欧州の経済不安から下落の動きも見られるなど、欧州の動きに影響を受けやすいのにも注意だ。

依然として、リーマンショックやバーナンキショックといった『○○ショック』から影響を受けやすい脆弱な5ヶ国通貨の総称『フラジャイル・ファイブ』にも名を連ねている。実際に2005年にはデノミ、2008年にはリーマンショックで貨幣価値は大きく下落した。投資の際には急激な値動きに対する逆指値注文などのリスク管理は必要になるだろう。

(ZUU online)

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