富裕層

富を持つ人のもとには、様々な人がやってきます。

高額な商品を扱う企業の営業社員、寄付を求める社会奉仕の団体、また、経営者の会などの勧誘もとても多いのが実情です。

富は出会いを呼ぶものです。富に釣られて縁談が進むこともありますし、富の多寡で配偶者の理想像を定めることもあります。富める人は、富める人生に相応しい縁談を求めますし、見栄えや気遣いなどにも「かなり高い基準」を求めます。
いずれにせよ、富のある人は、ない人よりも「多くの面で」様々な出会いをよぶわけです。

【参考】

富裕層にとっての不動産〜人口減少・高齢化社会で有望な不動産投資とは?〜
世界経済の成長に投資する〜富裕層ならではのグローバルマクロ投資とは?〜
国際感覚は日本で磨け!?〜真のグローバル人材を育てるための富裕層子女が集まる教育現場〜
債券、配当狙いの株式投資、マンション経営〜富裕層の資産運用の本質とは何か?〜
趣味と実益を兼ね備えた投資方法〜富裕層向け宝石(ダイヤモンド)投資の世界〜
富裕層に対する課税強化とその海外移住を税金の基本から考え直してみた


◉本物の富は本物の出会いを呼ぶ


富は代々受け継ぐものから一代で作り上げるものなど色々な形があります。しかし、受け継ぐ富は「副収入的な」感覚があるものです。例えば、土地の賃貸収入は定期的なものであって、自分の力で5倍、10倍に増やすことはできません。ですが、自分の才覚で出来た富は、才覚一つで失うこともあります。

富は人生の豊かさを反映するものではありますが、人生は富だけで豊かになるものではありません。

本物の富、というのは「本物の価値を生む富」といえましょう。世界の富裕層の中には、30も40もの寝室を持つ豪邸を持ち、各部屋に数台ものテレビを備え、本人の居場所が全くわからない、という人物がおります。またある国では、一夫多妻の制度を使い、何十人もの妻を娶り、子供たちと莫大なオイルマネーで様々な国家プロジェクトに参画している御仁もいます。
また、富を表立っては見せないように隠し、普通の市民と同じような生活水準を保ったまま暮らしている富裕層もいます。いったいその違いはどこからくるのでしょうか?

富裕層になることが目的の人々は「富の象徴」に目標を定めます。高額の車を手にしたい、海外への旅行三昧の日々を送りたい、あるいはブランドものの洋服を着て、高級料理を食べ尽くしたい‥こういった具体性でしょう。
こうした目標のために、人は日々努力を重ねようとします。ある程度の貯蓄をつくり、これを増やすために研究をする人。生活の中で、出費の何かを犠牲にして貯蓄をつくり、独立資金を作る人などです。
いずれにせよ、誰もが必死に目標を定めて「揺らぎない」富裕層像を描いた時こそ、本物の富を手に入れるスタートが始まるといえましょう。


◉富は富を呼び、人は人を呼ぶ


数年前に自衛隊を除隊して、「時計職人」になった若い男性がいます。彼は世界でも最高水準の技術を磨き、機械式の時計を作ることで新聞に掲載されました。一年間に製作する腕時計は3個、たった3個です。ですが、売値は数百万円といいますから、3個で千数百万円になるのだといいます。
既に何個も売り先が決まっており、あとはじっくりと精密作業をこなす毎日だというのです。

また、アメリカで有名なあるバーベキューソース、これは日本人の開発した商品です。数十年前に留学したときにお金がなくなり、家業の醤油屋の商品を送ってもらい、ソースに調合して出来合いのものを知人にプレゼントしたところから、始まったソースだそうです。ついにはアメリカで会社を起こして、商品を売り出して富裕層に仲間入りした「アメリカンドリーム」の体現者でもあります。

この二つの話には、いずれも「自分の好きな世界」を実現したことで富がやってきたことを、証明しているといえます。時計が誰よりも好きで、それが自分の全てだと信じることで、富がやってくる。富める技術が富める人を連れてきたわけです。
ソースも同じことです。親の作る商品を最高だと信じているからこそ、アメリカにわざわざ届けさせる。まだまだ日本人の留学が少なかった時代です。富める味が富める国で開花した、というわけです。