2015年3月10日に行われた、米アップル社のApple watch発売で、本格普及の感があるウェアラブル端末市場。日本企業も、ウェアラブル端末及び関連デバイス、基幹部品に多くの企業が係り、ビジネスチャンスは大きい。ウェアラブル端末関連として、注目の日本企業10銘柄を選んだ。


(1)ソニー <6758>

ソニーは2014年9月に腕時計型端末Smart Watch 3リストバンド型活動量系Smart Band Talkを発表し、現在発売している。Smart Watch 3はスマートフォンで受信したメールの読み上げや音楽転送による再生など、基本的な機能はiPhoneと連携するApple watchと似ている。

一方、ビジネスシーンでのウェアラブル端末活用可能性も探っている。2015年3月9日付日経コンピュータによると、ソニーの子会社であるソニーモバイルコミュニケーションズと英ヴァージン アトランティック航空は、ロンドンヒースロー空港で航空機の整備士に対してオペレータが指示を出すのに腕時計型ウェアラブル端末Smart Watch 3を使う実証実験を2015年3月にも開始する。

また、2015年1月にはソニーとソフトバンクが共同で福井県立恐竜博物館の来訪者向けにウェアラブル端末を利用した実証実験を実施しており、今後ビジネス及び個人向けの双方でウェアラブル端末の実証実験の動きが加速しそうだ。

ソニーのモバイルコミュニケーション分野は、主にスマートフォンの販売台数増により増収増益が見られるが、ウェアラブル端末の推進を進めることでさらなる業績への貢献を図りたいところである。


(2)セイコーエプソン <6724>

セイコーエプソンも腕時計型及びメガネ型のウェアラブル端末の開発を積極的に進めている。2015年1月8日付け日本経済新聞報道によると、セイコーエプソンのウェアラブル端末は医療分野への活用を目指しており、血圧や血糖値を測定できる機能を持った腕時計型端末の発売を2015年中に行い、今後3年でウェアラブル端末事業の売上高を100億円にすることを目標にしている。

セイコーエプソン<6724>の株価収益率は7.17倍(3月12日現在)と、カシオの21.45倍。シチズンHDの15.42倍と比べ低く、株式市場からの評価はあまり高くない。ウェアラブル端末銘柄として関心を集めるかが注目である。


(3)東芝 <6502>

東芝も脈波や皮膚温を測定できる生体センサやリストバンド型活動量計を2014年から販売開始した。東芝はヘルスケア事業を積極的に展開しており、貼付け型生体センサのプレスリリースによると2015年度にヘルスヘア事業で6,000億円(連結売上高の約10%、現在は約6%)の売上高を目標にしている。


(4)NTTドコモ <9437>

NTTドコモは、子供や高齢者をターゲットに腕時計型ウェアラブル情報端末ドコッチ 01を発売している。ドコッチ 01はセキュリティ機能に特化している点が特徴といえる。例えば、BluetoothとGPSを使い、迷子抑止機能や内蔵センサによる子供の様子を知らせる機能、防犯ブザー機能を持つ。


(5)エレコム <6750>

PC及びネットワーク周辺機器のメーカであるエレコムも、リストバンドタイプの活動量計を発売している。エレコムのリストバンドタイプの活動量計は、iOS/Andoroidの両OSに対応し、実売価格も7000円前後とリーズナブルである点が特徴といえる。


(6)村田製作所 <6981>

スマートフォンやウェアラブル端末の基幹部品であるコンデンサー、そしてスマートフォンとウェアラブル端末の通信に使われるBluetoothモジュールを供給しているのが村田製作所である。

2014年9月10付け日本経済新聞の報道によると、ウェアラブル端末の普及やスマートフォンの販売拡大を受け、100億円を投資して福井県に新工場棟を建設しコンデンサーの増産を図る。

また、村田製作所の2015年3月期第3四半期決算は売上高、営業利益、当期純利益ともに過去最高を更新しており、2015年3月期通期の業績も上方修正して売上高は1兆100億円。営業利益1,950億円。当期純利益1,500億円と過去最高を見込んでいる。


(7)TDK <6762>

TDKも村田製作所と同様にコンデンサー、Bluetoothモジュールの供給大手である。村田製作所同様、2015年3月期第3四半期決算は過去最高を更新し、通期業績予想を上方修正している。また、2015年1月に10円の増配を決めており、株価も2015年3月13日に年初来高値である8,870円をつけるなど、好調である。


(8)日本電産 <6594>

ウェアラブル端末の駆動に欠かせない小型精密モータの大手が日本電産である。日本電産ホームページによると、携帯電話やスマートフォン用の振動モータに加え、携帯電話用カメラシャッターで世界シェアNo.1であり、ウェアラブル端末の販売拡大に併せて売上の増大が期待される。


(9)パナソニック <6752>

ウェアラブル端末の普及に伴い、超小型リチウムイオン電池の需要拡大が予想される。その中でリチウムイオン電池大手のパナソニックは直径3.5mmのピン型リチウム電池を2014年に発表しており、この分野で優位に立っている。


(10)昭和電工 <4004>

2015年1月9日付日刊工業新聞報道によると、昭和電工はリチウムイオン電池の包材に使うアルミラミネートフィルムに導電性を持たせることでリチウムイオン電池を小型軽量化する技術を発表した。

ウェアラブル端末の本格普及には、リチウムイオン電池を小型軽量大容量化が必須であり、この技術がウェアラブル端末の普及を促進させる可能性がある。(ZUU online 編集部)

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