航空機
(写真=Thinkstock/Getty Images)

川崎重工 <7012> 、三菱重工業 <7011> 、ジャムコ <7408> といった日本の航空機関連企業がボーイング787(B787)増産に伴う投資を決定または検討をしている。国産ジェット旅客機・Mitsubishi Regional Jet(MRJ)やホンダジェットも飛行開始となることから、今後も航空機需要は増加し、航空機産業の重要度は揺るぎ無いといえる。

2015年3月13日、川崎重工が名古屋第一工場内にB787を増産するための工場を新設したと発表するなど、航空機製造への追加投資が相次いでいる。投資が増えている要因は何か、そしてMRJやホンダジェットなど、国産飛行機への投資は今後起こるのか、現在の動きを見ていく。


航空機製造・航空機周辺産業への追加投資

川崎重工を筆頭に、航空機周辺産業でも工場投資の動きが相次いでいる。三菱重工業は、2014年8月に複合材主翼関係の部品を製造する下関造船所と名古屋航空宇宙システム製作所大江工場の設備増強を行い、2016年からの増産を目指している。

また、B787に炭素繊維を供給している東レ <3402> では、同機増産に対応するために、2014年9月に石川工場の炭素繊維加工に使う生産設備の導入を決定した。さらに同機のギャレー(厨房)やラバトリー(化粧室)を生産しているジャムコも、新潟県に増産対応の新工場建屋の建設を予定している。


航空機需要は今後20年で約2倍に

追加投資の背景には世界の航空機需要の上昇がある。日本航空機開発協会によると、2013年の時点で、世界で運航されている20席以上のジェット旅客機は19,208機であるが、20年後の2033年には1.9倍の36,796機に増加するという予測をしている。

なお、B787を含む230座席~309座席の航空機については、2013年は1,808機だったが、2033年には4,561機と2.5倍に膨れ上がるという、市場全体を超える伸びが見込まれている。

これは、従来採算が合わなかった成田―ボストン間などの中需要長距離路線に、低燃費の特徴を活かし導入されたことにより航空機の市場を拡大しているためで、今後も運用を開始するエアラインが増加すると見込まれる。


部品の供給率3割が国内企業 B787の製造事情とは?

B787には多くの日本企業が部材や部品を担っている。例えばボディに採用されている炭素繊維複合材では先述した東レのほか、住友化学 <4005> が炭素繊維複合材の強度を高める樹脂を提供。

主翼関係では、川崎重工や三菱重工業以外にも、新明和工業 <7224> が主翼の桁を、電装品ではリチウムイオン電池をGSユアサ <6674> が、そしてパナソニック <6752> が機内エンターテイメントサービスに携わるなど、日本企業の部品供給率は35%といわれ、ボーイング本体の担当分と同じ比率になっている。


MRJ、ホンダジェットに関わる日本企業は?

日本の航空機製造業をさらに発展させると考えられるのが、三菱重工業の子会社である三菱航空機のMRJやホンダ <7267> のホンダジェットである。とはいえ、開発におけるサプライヤの参画度合いは対照的だ。

MRJでは、サプライヤを積極的に参加させて一緒に開発を行うアプローチを取っている。

三菱重工業の発表によると、エンジンは米P&W社、油圧システムに米パーカー・エアロスペース社を、電源や空調などの各制御システムには米ハミルトン・サンドストランド社、フライト・コントロールシステムには米ロックウェル・コリンズ社とナブテスコ <6268> 、降着システムには住友精密工業 <6355> を主要サプライヤに選定し、協力するアプローチを取っている。

一方ホンダジェットは胴体、エンジンともにアメリカで独自開発を行っている。エンジンは米GEとの合弁会社であるGEホンダ・エアロエンジン社製を使用。

日本のサプライヤでは、降着装置を石川県のメーカー、高林製作所(非上場)が担当している。裾野産業への広がりという点では、MRJの方が大きいといえる。


中型・小型機製造に活路を見出した日本の航空機産業

B787やMRJは中型機や小型機に分類され、今後の航空機需要の伸びの多くを占める部分である。加えてボーイングが次世代大型機として開発中のボーイング777x(B777x)についても、多くの日本企業が参画する見通しだ。

同社によると、B777xの日本企業参画率は機体生産の約21%で現行のB777とほぼ同水準。B777xの月産台数が777以上となるとの見通しで、日本企業の生産量増大に期待が高まる。

また、エアバスの超大型機A380にも、床下・垂直尾翼の部材担当として東邦ナテックス(非上場)をはじめ、ジャムコ、住友金属工業 <5405> 、東レなど20社近くが参画しており、日本企業が世界の航空機を支えていると言っても過言ではない。

なかでも世界の米ボーイングと欧州エアバスが独占している中大型ジェットエンジン航空機の製造に炭素繊維を納入している東レが、航空機周辺産業のなかでもひときわ重要な企業といえる。さらなる発展に影響を及ぼす東レの動向にも注意したい。(ZUU online 編集部)

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