ワコム,電子サイン
(写真=Thinkstock/Getty Images)

私達の個人情報がネット上に流出するようなこの時代、より強固なセキュリティが必要とされ、パスワードに代わる様々な生体認証が次々と実用化され始めている。

生体認証といっても、筆跡認証と指紋などの利用シーンは異なってくる。指紋などは今現在端末を操作しているのが本人かどうかを判別するシーンに多く用いられる。いわば鍵の代わりだ。

それに対して筆跡認証は、ある書類や文書に関し本人が同意や確認したかどうかを記録し、書類としての正当性を持たせることに用いられることが多い。

電子化された文書は複製が容易で、情報化社会が進むほど複製や偽造のリスクが高くなる。届けられた文書が本物なのか偽造されたものかを判別したいという需要は世界的に大きくなるだろう。ビジネス分野だけではなく、私達が作成し発信する文字や絵などあらゆるものが範囲に入る。


実用化され始めた筆跡認証

生体認証の一つに筆跡認証がある。これはペンでサインをする際のペン先の速さや筆圧、書き順などを記録しておいて照合に用いる技術だ。単にサインされた文字画像を照合するのは筆跡認証には当たらない。ペン運びには個人差があり、詳細に検出できるほど個人を特定する精度は高くなる。

セキュリティ会社のEleven Paths社の『Seal Sign』もそういった精度の高い筆跡認証の一つで、2015年3月のMobile World Congressでデモを行い、そのセキュリティ性をアピールしている。

日本でも宅配業者の受け取りのサインが電子化されたりと、サインの電子化は徐々に普及の様子をみせている。紙の書類に行っていたサインを電子化することで、ペーパレス化と情報管理の簡易化につながり業務の効率化が実現できる。

しかし現在普及しているサイン用端末は解像度が低く、文字の形が崩れやすい。サインした本人でさえ、それが自分の文字なのかどうかわからない場合があり、当然セキュリティ上も問題がある。

そこで、より高精度に筆跡を検出できる端末を提供できるメーカーとしてワコム <6727> が注目されている。ペンタブレットの製造販売を行っているワコムは電子サイン用途に法人向けのソリューションを展開している。


文書の電子化時代に需要の高いワコムの技術

IT革命としてパソコンが普及し始めてから、印刷・情報用紙の出荷量は減っている。日本製紙連合会によると2000年に11,866千トンだったのが、2013年には9,531千トンまで落ち込んでいる。

紙の出荷量が減少した分だけ紙の情報は電子化されており、この傾向は今後も続くとみられる。

このように文書が電子化されていく時代のなか、ワコムは他を追随させない高精度な筆跡検出を可能とするペンタブレットで世界シェアの8割を有している。

ワコムのペンタブレットは主にクリエイティブの分野で使われており、今のところ高いシェアを持っている割には売上高がさほど多くない。

しかし、ここに筆跡認証という需要の高い技術が普及すれば大化けする可能性がある。今後、信頼できる文書を取り扱うにはワコムの認証端末が不可欠になってくるかもしれない。ワコムの前には広大なフロンティアが広がっている。(ZUU online 編集部)

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