「フラジャイル・ファイブ」の中でも明暗別れる
「新興国」として一つに括られているが、個別の状況は国によってまちまちである。2013年8月、米モルガン・スタンレーは、FRBの量的緩和縮小に伴って、自国通貨の下落が進みやすい脆弱な5カ国(ブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカ)を「フラジャイル・ファイブ」と命名した。
同社のエコノミストによれば、「インドとインドネシアの両国については、十分な経済改革を実施し、従来の成長モデルから距離を置き、転換点を超えた」と評価している一方、残りの3か国については、経常赤字とインフレが高止まりしている事に加え、汚職の拡大や中央銀行への政治圧力といった問題も存在し、「フラジャイル・ファイブ」の中でも、明暗が別れる事態となっている。
一部には「2015年中の利上げはない」との見方も
2015年1月、世界経済フォーラムのパネル・ディスカッションにて、米ゴールドマン・サックスCOOのゲーリー・コーン氏が、「米国が成長していることに議論の余地はないが、世界の他の部分で起こっている事を前にして、米国が利上げを出来るのかと不安に思う」と語っている。
また、同氏の発言を追うようにして、4月には、同社のエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏が「労働市場に引き続き、かなりのスラック(緩み)が存在している事や賃金の弱い伸びを踏まえ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ実施は年内終盤、もしくは来年初旬になる公算が大きい」との見解を示した事も注目に値する。
そして、2014年12月、ボストン連銀が報告書において、「量的緩和がFRBの処置として永久的な道具になる」事を示唆したが、この事実も頭の片隅に入れておいても良いだろう。イエレンFRB議長は、利上げは「経済指標次第」と繰り返し表明しており、利上げが2015年中は行われない状況も、シナリオの一つとして想定しておくべきなのかもしれない。(ZUU online 編集部)
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