週初1日の東京市場はドル円相場が124円台前半で始まった。先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議で特段、ドル高や円安などの為替についての話が出なかったことで、円売りドル買いが進んだ。海外市場では、4月米個人消費支出などが市場予想を下回ったことで、一時、123円85銭まで下落。その後は、米5月ISM製造業景気指数の結果が良好であることが伝わると、FRBの早期利上げ観測が台頭し、ドルが買われ124円93銭まで上昇した。

2日の東京市場は、オプション絡みの仕掛け的な売買で、一時、125円08銭まで上昇するも、長くは続かなかった。海外市場に入ると、米4月製造業受注の悪化や、ブレイナードFRB理事の「米経済の根本的な勢いを見極めるまで、しばらく見守ることに価値がある」などの早期利上げにネガティブな発言から、ドル売りが広がり123円74銭まで下落した。

3日の東京市場は、ドル円相場が124円台前半で始まるも、前日の海外市場の流れを受け、123円79銭まで下落した。海外市場に入ると、米5月ADP雇用統計が市場予想を上回ったことで、一時、124円70銭まで上昇するも、米5月ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことなどから、下落に転じ、124円台前半でニューヨーククローズとなった。

4日の東京市場は、原田日銀審議委員の発言をきっかけに123円台まで下落した。海外市場に入ると、一時、123円77銭を付けたが、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ると、ドル買いの流れとなり、124円70銭まで上昇した。

5日の東京市場は、夜間に米雇用統計を控えていることで、様子見ムードが強く、124円台半ばで動意薄の展開となった。海外市場では、米雇用統計が市場予想を上回る結果となったことで、125円台後半まで上昇した。


今週の為替展望

今週の外国為替市場は、米5月雇用統計が予想を上回る結果(非農業部門雇用者数が28万人増、失業率は5.5%とやや悪化)となったことで、ドル円相場は、円安トレンドが継続すると考えられる。4月のFOMC声明で、利上げの条件のひとつとして、雇用環境の改善が挙げられていたことを考えれば、早期利上げ期待はさらに高まることになるだろう。

今週注目される経済指標は、8日発表の1-3月期GDP改定値や5月景気ウォッチャー調査、10日の機械受注、11日の4-6月期法人企業景気予測調査、米5月小売売上高などである。

懸念点としては、日銀による円買い介入がある。現状では麻生財務相などの口先介入が中心であるが、1998年には130円台程度の時に円買い介入を行っていたことを考えれば、現実味を帯びてきている。

とはいえ、先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議で話されていないこと(ただし、麻生財務相とルー米財務長官との会談では、為替について議論している)を考えれば、当面はないと見て良いはずだ。

また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンド(期間20週)のドル円のローソク足は、先週に引き続き、2σを超える水準にあるものの、収縮していたバンドが拡大している過程であるため、相場の判断材料とすべきではなく、週足14週のRSIにおいては、70%程度と、過熱感がある。

以上を考慮すれば、テクニカル面に過熱感はあるものの、良好なファンダメンタルズから引き続き円安傾向が続くと考えるのが妥当だろう。(ZUU online 編集部)

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