現在、一般の法人の大半は、組織で雇用しているプログラマーがソフトウェアテストなどの製品の品質保証に関する業務を担当しているが、必要とされるスキルはシステム開発の分野とは異なるため、優秀なプログラマーであれば大丈夫ということにはならない。
したがって、最新のウィルスを用いた組織的なサーバー攻撃に対して日本の企業や団体は無防備に近いとさえいえるのが現状なのだ。多くの法人において、組織維持の生命線ともいえる情報保護を完璧な体制にするために、これからは専門企業によるソフトウィアテストのニーズがより高まってくることが予想される。
予防医療的な防御体制の確立を
近年、ソフトウェアテスト事業で急成長を遂げている企業の筆頭格ともいわれている株式会社SHIFT(シフト)は、このたびサイバーセキュリティの研究開発分野のリーディング・カンパニーとして名高い株式会社FFRIとの業務提携を実現した。セキュリティ分野で立ち位置の違う両社がお互いの強みを活かし、さらに精度の高いソフトウェアテストが可能となったことで業界から大きな注目を浴びている。
同社によれば、4兆円もの巨大市場であるソフトウェアテスト業務を、日本では全法人の99%が専門家に頼らずに自前で対応している現実は、甚だ脆弱な危機管理体制と断定せざるを得ない状況だという。
同社が導入している合格率がわずか数%という難関のソフトウェアテスト適性を測る検定試験をパスしたエキスパートがSHIFTの知見を元にFFRIから技術提供を受け高品位のセキュリティテストサービスを行うことこそがサイバー攻撃に対する最善策といえるだろう。
SHIFTの代表取締役である丹下大氏は、「問題が発生してからあわてて対処するのではなく、われわれ専門業者が日々蓄積されるテストデータやバグ情報をもとに、不具合が起きにくい開発体制を敷いておくのです。医療にたとえると、莫大な費用をかけてやっていた“病気の治療”を、病気が発生しない“予防医療”に転換するということになり、コスト削減にもつながります」と語る。
医療分野では「対症療法から予防医療への転換」というスローガンが掲げられて久しいが、急速に進化し続ける現代のIT社会こそ、問題が起きてから対応する対症療法ではなく、問題を発生させない予防医療的な防御体制の早急な確立がなにより急務なのではないだろうか。
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