ソリューションとは自分自身のこと

ソリューションは自分自身と自身の会社であって製品そのものではない。ここでエレベーター・ピッチを少しばかり方向転換して、自分たちのことを語ってみよう。どのようにして独自の製品やサービスを作り出したのか、どんなメンバーをそろえる予定か、どんなアプローチを考えているのかなど。ただし詳細を語るのは避けよう。

例えば「我々のチームは50年にわたるマーケティング経験を持っていますが、大型キャンペーンや大手ブランドばかりに集中して仕事をすることに飽き飽きしています。そこでこのたび豊富な経験を生かして、起業家の皆様のインターネットを使ったビジネスでの成長をお手伝いするために、最高のマーケティング戦略を作り上げることにしたのです」と語れば、聞く者は強く心を動かされ、「どうやって?」「どんなメンバーで?」と質問せずにはいられず、より深い会話につながるだろう。エレベーター・ピッチのコツは、瞬時に聞く者の気を引き、もっと知りたいと思わせることだ。


聞き手が質問してくれたとき、真の会話が始まる

行動を起こさせるきっかけ作りは、相手に何をしてほしいかによって変わってくる。サービス契約を結んでほしいのか、製品を買ってほしいのか、社員として仲間になってほしいのか、それともアイディアに投資してほしいのか。いよいよエレベーター・ピッチの本題に入るのだから、明快に、聞き手に合わせて、望む結果が得られるように話の内容を整える必要がある。単刀直入に「スポンサーを求めています」「我々と組んで仕事をしませんか」と言ってもよいだろう。エレベーター・ピッチの理想は最終的にイエスかノーの返事をもらうことだ。「もっと話を聞かせてくれ」でもよしとしよう。

エレベーター・ピッチと言えば、たいていの人は30秒から60秒程度と思うだろうが、本当にできる限り短い時間にするべきだ。内容を3つか4つのセンテンスに煮詰めることができれば、もっと自然に語りやすくなる。問題、ソリューション、行動喚起を不自然にならずに盛り込むことができるなら、1センテンスでもよいくらいだ。

厳しい時間制限の中でも、エレベーター・ピッチで聞き手の興味の度合いを即座に測ることができる。投資家や顧客との会話よりもむしろ、人脈作りの場でこのエレベーター・ピッチを使う機会が多いかもしれない。いずれにしてもいくつかの強烈なセンテンスはプレゼンテーションのよいスタートとなるだろう。エレベーター・ピッチの後、聞き手が質問してくれたとき真の会話が始まる。 (ZUU online 編集部)

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