年末マーケットアノマリー,掉尾の一振,12株高

(写真=Thinkstock/Getty Images)

12月14日の日経平均株価は、前営業日比343円39銭安の1万8887円09銭でスタート。取引時間中の1万9000円割れは11月5日以来のことだ。

投資家はマーケットの動き、株価に合理的な根拠を求めたがる。「なぜ今日、日経平均株価が大きく下落して始まったのか?」「なぜこの企業の株価が急に動いたのか」そこに納得できる合理的な理由を求めようとする。14日の下落で言えば、「原油安が止まらず、世界的に投資家心理が弱きに傾いている」といった説明がなされるだろう。

しかし、合理的な理由を見出すことができないことが現実にはたくさんある。それは「相場格言」や「アノマリー」と呼ばれることもある。不思議と相場は格言やアノマリー通りに動くが、そこに合理的な理由を見出すことができないのだ。

いよいよ今年の相場もあとわずかで大納会を迎える。この機会に年末マーケットアノマリーを紹介しよう。

掉尾の一振(とうびのいっしん)

年末マーケットに関するアノマリーの代表は何といっても「掉尾の一振」だ。年末に向けて株価が上昇しやすいことから名付けられた相場格言だ。「掉尾」というのは耳慣れない言葉だが、尾を振ること、物事の終りになって勢いをふるうという意味だ。

12月も終盤になり、大納会が近づくと毎年必ず話題になるアノマリーだ。これは株式市場では最終取引日の大納会に向けて相場が高くなることを意味している。

実際に相場はどう動いたのか過去を振り返ってみる。統計では1949年から年末の7営業日について調査したところ、日経平均株価が前日比プラスとなった確率は50%を上回り、その内3日は70%を超えている。

つまり、このアノマリーは有効に機能しているということになる。米国ではサンタクロースラリーというアノマリーもある。クリスマスから年明けにかけて株価が上昇しやすい時期とされている。

アノマリーの存在自体が投資家心理を強気にさせる一面も

なぜ年末に欠けて相場が上昇する傾向があるのだろう。新年相場へ向けた期待感や年末の節税対策売りが一巡し、売り圧力が減少すること。機関投資家などがドレッシング買いを入れることなどが考えられる。しかし、このアノマリーの存在自体が投資家心理を強気に傾けているという側面も否定できない。

14年12月は原油安やロシアの通貨ルーブルが急落したが年末にかけて相場は戻りを試す展開だった。13年12月は米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和縮小を決定したが、株式市場への影響を配慮し超低金利政策は相当な長期間継続することを強調した。

12年12月には日銀が、資産買い入れ基金を10兆円増額する追加金融緩和策を発表している。このように、最近の事例では12月には相場を下支えする好材料が多かったことも事実だ。

1月効果

株式相場では、1月の収益率が他の月よりも高くなりやすいとも言われている。掉尾の一振でも触れたが、年末に税金対策としての売りが出る一方で、年明けには新規の投資資金が流入しやすいと言われている。また、為替相場では1月相場のトレンドがその年の年間通してのトレンドを占うものとされている。

このアノマリーは果たして有効に働いたのだろうか。2015年1月はスイス中央銀行が突如金融政策を変更したことからスイス/フランが40%を超える急騰となった。

14年1月はアルゼンチンペ悪阻急落により、新興国不安が広がった。2009年は日本航空が会社更正法の適用を受けた。更にさかのぼり、2006年はライブドアショックが起こった。

検証の結果、1月は収益率が高いと言うよりも、むしろ波乱含みとなる年が多い。振り返るとマーケットにとっては悪材料となるイベントも多かったことが分かる。

アノマリー投資は有効か

各国政府や中央銀行は経済情勢を数値化し、それに基づいた経済指標を発表する。GDPや雇用統計といった経済指標はマーケットの動向を判断するうえで重要なバロメーターだ。さらに、アナリストは個別企業の業績を分析し株価の動向を予測する。こうしたファンダメンタルズは必ずしもすべての場面で有効とは限らない。

しかし、大阪の堂島で米相場が開かれていた頃と、現代の投資家との間には多くの共通点があるのかもしれない。超高速取引の発達で瞬時にとてつもない量の売買が成立する現代であっても、投資家の心理は多くの点で何ら変わっていないのだろう。

買いたい投資家が売りたい投資家よりも多ければ株価は上昇し、売りたい投資家が買いたい投資家よりも多ければ株価は下落する。結局、株価を動かしているのは人間の心理なのだ。相場格言、やアノマリーには先人達の経験が詰まっている。(ZUU online 編集部)

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