若い世代(18-44歳まで)の高所得層の間で、従来の銀行サービスからP2Pなどのオンラインサービスへ切り替える傾向が強まっていることが、英アーンスト・アンド・ヤング(EY)の最新調査レポート「Fintech Adoption Index」から明らかになった。

年収1800万円クラスの若い世代はFinTechをサポート

EYはオーストラリア、カナダ、香港、シンガポール、英国の5カ国でデジタル・ファイナンシャル・サービスを利用している1万131人を対象にアンケートを実施。非銀行プラットフォームを4つのカテゴリー(「貯蓄と投資」「送金と決済」「借入」「保険」)から評価した。

アンケートの結果、15.2%が「過去半年に銀行や保険会社以外の企業が提供しているFinTechサービスを2回以上利用した」と回答。中でも高所得層の若い世代(44%が年収15万ドル/約1814万5425円以上)の間では、25歳から34歳の25.2%、35歳から44歳の21.3%、18歳から24歳の17.7%にこのような傾向が強く見られ、今後1年間でさらに2倍に増加すると見込まれている。

米マッキンゼー「スタートアップが銀行業務の6割を食う」

最も利用度が高いサービスは「オンライン決済」「外国為替」「海外送金」で、17.6%の回答者が非銀行系企業が提供するサービスを利用しているほか、投資や貯蓄などの分野でもオルタナティブ・プロバイダーへの人気が高まりつつあるようだ。

ちなみに米マッキンゼー・アンド・カンパニーは9月に発表したレポートの中で、「消費者金融やウェルス・マネージメントを含む銀行系業務の60%が、マージンの縮小とFinTechスタートアップに圧縮されかねない」と懸念を示していた。

EYのFinTech部門責任者、イムラン・グラムフセインワラ氏は、こうしたFinTechの脅威が、「既存の金融機関にとってサービスを見直す機会になる」とポジティブにとらえている。(ZUU online 編集部)

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