11日の東京市場は、祝日かつ流動性が低下しているところに仕掛け的な円買いが入ったことで、ドル円相場は、一時、116円67銭まで低下した。その後は中国当局が人民元基準値を元高に設定したことでやや持ち直した。海外市場では、米国株の上昇と米10年債利回りの上昇などから、117円台後半でニューヨーククローズとなった。

12日の東京市場は、人民元基準値が元高に設定されたことによる警戒感の低下から、118円程度まで上昇したものの、日本株の下落などに引きずられる形で、117円21銭まで低下した。海外市場では、原油先物価格が30ドル台を割り込んだことでリスク回避の流れとなり、117円台後半でニューヨーククローズとなった。

13日の東京市場は、中国の経済指標の改善から、リスクオンの流れとなり、ドル円相場は118円台前半まで上昇した。海外市場では、序盤に118円38銭の高値を付けた。ただ、その後は、原油先物価格の下落や米10年債利回りの低下などから117円63銭まで下落した。

14日の東京市場は、中国リスクに加え、機械受注の悪化などから日本株が下落した。リスク回避の流れとなったことで117円28銭まで下落したものの、中国株が反発すると118円台まで値を戻した。海外市場にはいると、米新規失業保険申請件数の悪化から117円台を付ける場面もあったものの、米国株の上昇に連れる形で118円台まで上昇してニューヨーククローズとなった。

15日の東京市場は、118円台でスタートしたものの、中国株の下落をきっかけに下落トレンドとなり、黒田日銀総裁が追加緩和に否定的な発言を行うと、117円台に下落した。海外市場でもその流れは続き、一時、116円49銭まで下落して、そのまま116円台後半で週の取引を終えた。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、19日の中国12月鉱工業生産、中国12月小売売上高、中国12月都市部固定資産投資、中国10-12月期GDP、20日の米12月住宅着工戸数、21日のECB理事会、22日の米12月中古住宅販売件数などである。

今週の外国為替市場であるが、市場の関心が、中国人民元基準値と原油先物価格のため、その変動に左右される展開が想定されるものの、黒田日銀総裁が「現時点で追加緩和をする考えはない」と発言したことから円高方向に進みやすい地合いといえるだろう。

テクニカル面では、ボリンジャーバンドはローソク足が移動平均線を下回り、-2σを超える水準まで下落しており、週足14週のRSIにおいても、30%台前半まで下落している状況だ。さらに、日足ベースでみると、ボリンジャーバンドはローソク足が-1σから-2σの間で、RSIは、20%台後半まで下落していることから、ドル円は買われやすい環境にある。

以上を考慮すれば、テクニカル面での買いシグナルはあるものの、黒田日銀総裁の発言から、円安方向は考えにくく、CFTC(全米先物取引委員会)のIMMポジションをみても投機筋は数年ぶりに円買いポジションとなっていることを考えれば、素直に弱気で考えるべきだろう。ただ、急速に円高が進んでいることから、日銀や政府関係者の口先介入や中国経済指標の改善などによる急激な反発には注意したい。(ZUU online 編集部)

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