外国為替相場
(写真=Thinkstock/Getty Images)

1月29日、日本銀行が金融政策決定会合を開催し、マイナス金利の導入を決定した。市場もすぐさまその政策変更に反応し、マイナス金利導入の発表直後には、円ドル為替レートの激しく変動。その激しさに驚かされた投資家も多いかもしれない。

円ドルの為替レートの動きを追いかけても、118円近辺から121円の円安に急激にいったんはふれたが、ドルの下落に突然、転換した。さらに、10円以上円高が進み1ドル=111円の水準まで一気に円高が進展するなど、リーマンショック以来の激しい為替相場となっている。

足元の動きでは、2月下旬に差し掛かろうとしているが、円ドル相場は114円前後と、120円前後の頃に比べれば円高感はいなめない。日系企業の業績への悪影響を懸念する向きすら出てきている。

もちろん、こうした為替相場の大きな変動は、国際的な議論の的にもなっており、その注目度も高い。為替相場の安定化を図る動きも出つつあり、国際会議でも議論されていく見通しだ。

円高を引き起こしたリスク回避、日本政府も注視

最近の急激な円高を引き起こした一因とされているのが、リスク回避による円買いだ。中国経済や米国経済の先行き懸念などを受け、投資家がリスク回避のために円を購入しているため、円高が進行しているとされている。

変動の激しい相場に注目しているのは、市場関係者らだけではない。この急変動に対して、政府も大きな関心を寄せている。麻生太郎財務大臣は9日の閣議後の会見で「ひき続き為替市場の動きをよく注視していきたい」と述べて、関心を示してきた。さらに、12日の記者会見でも同大臣は「緊張感をもって市場を注視していく」と述べるなど、再三にわたって、円相場への危機感をあらわにしている。

また、安倍晋三総理大臣は15日午前の衆院予算委員会で「急激な相場の変動は望ましくない」と発言し、「財務相には引き続きしっかりみてもらい、必要に応じて適切に対応してもらいたい」とも強調している。総理自身も現在の為替相場の急変動には警戒心を示しており、社会的な関心の高さを裏付けている。

G20会合での為替安定策を協議へ

その中で、注目されるのが、2月26、27日に予定されているG20財務相・中央銀行総裁会議だ。同会合で、「為替の安定化」が一つの目玉のテーマになるのではないかという、見方も広がってきている。

ほかにも関心の高い話題もある。世界経済への悪影響の懸念とその経済規模のせいか、中国も喫緊の議論の課題の一つだろう。昨年からの景気減速への不安や投機筋による元売り圧力によって、資本流出が最近では目立っているとされている。

もちろん、中国の中央銀行である中国人民銀行もこの動きにただ手をこまねているワケではなく、為替介入によって人民元を買い支えてはいる。しかしながら、同国の外貨準備高は2014年6月からすでに2割も減っており、財政の継続性に疑問符が付き始めているというのが実情だ。

G20会合で議論されるのは「資本規制」か?

G20当局者は、現在、世界の金融市場を混乱させている原因が中国をはじめとした新興国の経済成長の鈍化による投資資金の引き上げと、それによる新興国通貨の値下がりにあると見ているようだ。特に、中国では昨年からの景気減速への不安や投機筋による元売り圧力によって、資本流出が最近では目立っているとされている。

その上で共通の話題となっているのが、新興国における「資本規制」だ。例えば、新興国からの外貨持ち出しや外国債券への投資を規制する資本規制を導入し、通貨取引を制御しようとする動きだ。

日本銀行の黒田総裁も1月下旬に開催された世界経済フォーラムのダボス会議で、個人的な見解としながらも、中国では資本規制の導入が通貨安定に有効なのではないかと発言しており、G20財務相・中央銀行総裁会議も同テーマを議論することになれば大きな影響を与えそうだ。

「円安株高」にG20会合はつながるか?

このように、各国にとってのベストな選択肢が異なっているため、G20会合が経済状況にどのような影響を与えるかは予断を許さない状況だ。

IMFの最新予測では2016年の世界成長率は3.4%と決して悪い数値ではないが、市場関係者は年初からの激しい市場の動きを不安視し、「大規模な経済対策への期待」を高めている。G20の会合において、米国と欧州諸国、あるいは新興国との意見が対立し、具体的な対策が何も実施されないことになれば、失望売りが発生し、株価が下落するという悲観的なシナリオも当然ある。

それに対して、G20会合で資本規制などの市場関係者が望むような具体的な対策が打ち出されることになれば、投資家の不安も和らぐかもしれない。つまり、株価にも好影響をもたらすとともに、リスク回避から買われていた円が売られることになり、円安への再転換が進む可能性もあるのだ。

どちらの可能性が現実になるにせよ、G20会合が今後の経済動向の分水嶺となりそうだ。投資家は、G20会合で資本規制が決定されるかどうかをもとに、自分の投資方針を考えておく必要があるだろう。(ZUU online 編集部)

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