ドイツのブロックチェーン・スタートアップSlock.it(スロックイット)が、「デジタルウォレットを利用したスマート決済」や「補充量ベースの料金請求」「信号待ちの間に利用可能な充電ポイント」など、電気自動車の未来を変える革命的サービスを大手エネルギー会社RWEと共同開発中だ。

「クルマがデジタル・ウォレットになる」

従来の電気自動車は自宅か充電スタンドを通して燃料を補充する必要があり、「充電中は車を使用できない」という点を電気自動車の最大の難点として挙げる消費者は多い。

また充電スタンドでは30分や1時間など時間単位で料金が請求されるため、補充時間の下限が設定されているといった不便さも目立つ。

こうした消費者の不満を解消する手段として開発中の「スマート・コントタクト」と呼ばれるシステムでは、ブロックチェーン・テクノロジーを用いてあらかじめ電気自動車にデジタル・ウォレットをリンクさせておくことにより、充電スタンドでは時間単位ではなく補給量単位で支払うことができるようになるほか、信号が青に変わるまでのわずか数分間に、道路に設置された充電ポイントからコマメに電力を補給可能になる。

ビジネス系ニュースサイトのインタビューに応じたSlock.itのステファン・チュアルCOOは、既存の電気自動車の常識を大きくくつがえす発想を「車全体がデジタル・ウォレットになる」と説明し、開発が守備よくいけば、料金請求システムが簡潔化されるだけではなく、各充電サービス会社から発行された複数の認証カードを所有する手間暇も省けるといった数々の利点をアピール。

将来的には世界中の電気自動車への対応を目指しているが、現時点ではプロジェクトの完了次第、ドイツで60台の電気自動車を使って試運転を開始するという。REWはすべての決済を仮想通貨で行うことにも興味を示している。

ソフトウェア開発分野では20年以上のベテラン達が立ち上げたSlock.itのブロックチェーン技術と、3000万人の顧客を持つRWEのエネルギー網を屈指すれば、電気自動車の歴史に新たな1ページを加えることはけっして不可能ではないだろう。(ZUU online 編集部)

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