「勤務先で理系人材のニーズが高まっている」「科学、工学など理系キャリアを目指す学生が増えるべき」−−。総合人材サービスのランスタッドの調査「ランスタッド・ワークモニター」から、理系人材のニーズが高まっている実態が浮き彫りとなった。
この調査は2003年から行われており、現在は世界34の国と地域を対象に年4回実施。今回は昨秋、18歳から65歳までの週24時間働いている労働者(自営業除く)を対象に行っている。
「理系人材のニーズが高まっている」日本は4割程度にとどまる
「私の勤務先では理系人材のニーズが高まっている」という質問に「はい」と答えた割合をみると、インドやマレーシア、中国は70%以上。日本は40%程度にとどまっている。世界のIT産業をけん引しているといっていい米国は約半数(49.2%)が肯定している。世界平均でも45.9%とおよそ半分くらいだった。
「科学、工学など理系キャリアを目指す学生が増えるべきである」という問いかけに対する「はい」という回答の割合は、世界平均が71.1%と実に高い数値だった。国別にみると、ブラジル、インド、マレーシア、メキシコはおよそ9割。日本は下から5番目という低い数値だったが、それでも58%が「はい」と答えている。
「自分が18歳だったら理系分野の勉強に注力する」は6割が「はい」
また「自分が18歳だったら理系分野の勉強に注力する」に対しては、世界の63.3%、日本の57%が「はい」と回答。また「自分が18歳だったらデジタル系の勉強に注力する」については世界の69.7%、日本の61.2%が「はい」と答えている。
業務のデジタル化への準備についても聞いたところ、世界の労働者の78%が「準備できている」と回答。しかし、日本は調査国の中で最低の42.5%だった。
同社の猿谷哲社長兼COOは「世界のテクノロジー産業をリードしてきた日本では、ここ10数年の間に製造現場におけるオートメーション化による効率化が進み、現場のオペレーションは大きく変化しました。製造現場での自動化はある程度成熟した状況にある中、少子高齢化による労働力人口の減少に向け、これからの課題の中心はAI等の導入によるホワイトカラーの生産性向上であることは明白」とコメント。
そのうえで、「今後は事務作業におけるオートメーション化が進み、自分の仕事や業務の一部がIT技術に取って代わられることも予想されます」などと述べている。(ZUU online 編集部)
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