29日の東京株式市場は、G20財務相・中央銀行総裁会議で、金融市場の安定のためあらゆる政策を総動員するとの方針が示されたものの具体策が乏しく、また、中国株が下落したことなどから、日経平均株価は、前週末比161円65銭安の1万6026円76銭で大引けとなった。
1日の東京株式市場は、新発10年物国債の落札利回りが初めてマイナスとなり日米金利差が拡大。これによりドル円相場の円高が落ち着いたこともあり、日経平均株価は、前日比58円75銭高の1万6085円51銭と小幅ながら上昇して取引を終えた。
2日の東京株式市場は、米2月ISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことなどから、米景気減速懸念が後退し、リスクオンの流れとなった。さらに、中国株も上昇したことなどから、日経平均株価は、前日比649円30銭高の1万6734円81銭で大引けとなった。
3日の東京株式市場は、特段大きな材料はなかったものの、マイナス金利導入決定以降、大幅に下げていた銀行株の買戻しなど、幅広い銘柄に買いが入った。日経平均株価は、前日比213円61銭高の1万6960円16銭で取引を終えた。
4日の東京株式市場は、ISM非製造業景況指数の雇用指数が悪化したことなどから、ドル円相場で円高が進み、日本株も下落して始まった。しかし、米雇用統計への期待感などもあり、日経平均株価は、前日比54円62銭高の1万7014円78銭と、約1ヶ月ぶりに1万7000円台を回復して週の取引を終えた。
今週の株式展望
今週注目される経済指標は、8日の10-12月期国内総生産(GDP)改定値、2月景気ウォッチャー調査、中国2月貿易収支、10日の中国2月消費者物価、中国2月生産者物価、ECB定例理事会およびドラギ総裁会見、11日の1-3月期法人企業景気予測調査などである。
4日発表の米2月雇用統計で、非農業部門雇用者数が、24万2000人と市場予想を大きく上回り、失業率も4.9%と市場予想と変わらずの低水準となった。今週の株式市場は、週始めに日本株が上昇する可能性は十分あるだろう。
また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が-1σ程度と移動平均線に近付いており、週足14週のRSIにおいては、30%台前半と、割安が是正されつつある。また、日足ベースでは急ピッチで上昇したこともあり、ボリンジャーバンドは、移動平均線から1σの間で、RSIは、70%程度まで上昇しており、やや割高感が出始めている。
以上を考慮すれば、テクニカル面からは短期的に割高感が目立ってきており、雇用統計では非農業部門雇用者数と失業率は良好だったものの、平均時給が市場予想を下回り悪化していたことを考えれば、ドル円相場の円安進行は限定的と考えるられる。日本株も上値も重いと考えるべきだろう。
よって、中立からやや弱気が妥当である。また、中国の重要指標発表が予定されていることから、結果次第では、再び中国の景気減速懸念が台頭し、リスクオフの流れも想定されるため、注意したい。(ZUU online 編集部)
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