29日の東京市場は、ドル円相場が114円01銭で始まり、中国株の下落などから、リスク回避の流れとなったことで、113円を割り込んだ。海外市場でも、その流れは続き、米住宅指標の悪化などから、112円64銭まで下落し、112円台後半でニューヨーククローズとなった。

1日の東京市場は前日の海外市場の流れを引き継ぎ、一時、112円15銭まで下落したものの、日本株の上昇に連れる形で、112円台後半まで上昇した。海外市場に入ると、原油先物価格の上昇や、米2月ISM製造業景況指数などが良好な結果となったことで、114円20銭まで上昇し、その後も114円程度で推移した。

2日の東京市場は、中国株の上昇などから、リスクオンの流れとなり、114円台前半まで上昇した。海外市場では、米ADP雇用統計が市場予想を上回ったことなどから、114円57銭まで上昇した。ただ、その後は特段材料がなかったものの、113円台前半まで下落した。

3日の東京市場は、日本株の上昇に反応する形で、114円28銭まで上昇した。しかし海外市場では、米ISM非製造業景況指数で雇用が悪化したことなどから、売られる流れとなり、一時、113円29銭まで下落した。その後は、113円台後半まで持ち直してニューヨーククローズとなった。

4日の東京市場では、再び、ISM非製造業景況指数の雇用指数悪化が材料視され、113円台前半まで下落したものの、日本株の上昇に連れる形で、113円台後半まで上昇した。海外市場では、米2月雇用統計で非農業部門雇用者数や失業率が良好な結果となったことで、一旦は、ドル買いで反応し114円台前半を付けた。しかし、平均時給が悪化していたことから、一転して売られる流れとなり、113円台前半まで下落した。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、8日の10-12月期国内総生産(GDP)改定値、2月景気ウォッチャー調査、中国2月貿易収支、10日の中国2月消費者物価、中国2月生産者物価、ECB定例理事会およびドラギ総裁会見、11日の1-3月期法人企業景気予測調査などである。

今週の外国為替市場は、4日発表の米2月雇用統計で、非農業部門雇用者数が、24万2000人と市場予想を大きく上回り、失業率も4.9%と市場予想と変わらずの低水準となっていたものの、平均時給が悪化していることから、引き続き上値の重い展開が想定される。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、-2σ付近で、週足14週のRSIは、30%台半ばとなっている。日足ベースでは、ボリンジャーバンドのローソク足が移動平均線と重なっており、、RSIも40%後半と、週足では円が買われ過ぎている水準であるものの、日足ではほぼ中立状態となっている。

以上を考慮すれば、中立からやや弱気で考えるのが妥当だろう。短期的なテクニカル面は中立状態であり、失業率や非農業部門雇用者数など良好な結果だった雇用統計でも上値の重さが確認された。3月が決算期ということを考えれば、国内企業のレパトリ(ドル売り/円買い)の動きにも注意したい。(ZUU online 編集部)

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