米国株投資に興味を持つ投資家が増えている。急落時に買い出動するために待機している投資家も多いが米国株に投資する資産なら、単に待機させておくよりも外貨預金として活用するのも良いだろう。今回は、外貨預金の有効な活用の仕方について解説する。

米国株は分散投資として欠かせない金融商品

米国株投資の「待ち時間」 有効活用することはできるのか ?
(画像=peshkova / stock.adobe.com)

資産形成のために、分散投資として海外株に投資する人が増えてきた。特に米国株は実績がすぐれており大人気だ。日経平均は、1990年以来の高値をつけたことで話題になっているが、いまだに平成バブル期の高値を更新していないのが現実である。

一方で、NYダウは、ブラックマンデー・アジア通貨危機・ITバブル崩壊・リーマンショックなどの大きな危機を経験しながらも、そのたびに経済は力強く回復し、株価は毎年のように過去最高値を更新している。

また、近年ではグーグル、アマゾン、アップルといった米国の巨大IT系企業が次世代のプラットフォーマーとして世界景気を先導していることも特筆すべき点だろう。

ネット証券などで簡単に米国株に投資出来るようになり、スマホのアプリでも簡単に注文をだせるようになったことで、分散投資対象として米国など外国株投資が増えてきている。

急落時に買うことが長期投資ではおすすめ

長期の株式投資の観点からは、米国株の急落時に米国株や米国投資信託を買うことが、好パフォーマンスを実現させるコツなのかもしれない。

実際、コロナショックがあった2020年1~3月に、日本国内での投資信託のフローを見ると、外国株式の投資信託には7,000億円を超える資金が流入したことがわかる。3月だけでも3,000億円を超える資金が流入しているのだ。

投資家が、米国株が大きく下げる買いチャンスを待っていたのは明らかだ。もし、NYダウをコロナショックの3月に安値の18,213ドルで買えていたら、2020年末には30,606ドルに達し、9ヵ月で68%の上昇を経験することになっただろう。

また、アップル株を2020年3月安値の53.19ドルで買えていたら、2020年末には132.69ドルに達し、9ヵ月で2.5倍の利益を得ることができただろう。大きな下落相場において、大底で買うことは容易ではない。しかし、長期目線で見ると、急落時に買いを多くすることが長期のパフォーマンスでは有効になる。

日本経済新聞社が2020年末に行った個人投資家1,000人調査※1では、資産が億を超える投資家の52%が外国株に投資しており、その大半が米国株に投資している。そして、実際に米国株で好パフォーマンスを上げていた。株式投資をするならば、米国株投資も検討してみるべきだろう。

※1日本経済新聞社「億り人投資はグローバル 米国株中心に成長株に信頼」

米国株の投資資金をドルの外貨預金で運用

米国株を買うときにはドルが必要となる。購入時に円をドルに換えてもいいのだが、米国株の急落時に備えて、ドル預金で資金を待機させてはどうだろう。

なぜなら、金利の水準がドル預金のほうが、通常円預金よりも高いためだ。また、外貨預金には為替変動リスクがあるが、米国株を買うための資金であるならば米ドルで持っておけば為替リスクを気にする必要がないことなどもメリットとして挙げられる。

外貨預金の場合いつでも解約可能なので、証券会社と連携してすぐに資金を移動できる金融機関を選んでおけば、米国株の買いチャンスを逃すことがないだろう。

また、新規買いの待機資金だけでなく、すでに保有している米国株を売却した場合も、次に米国株を買うのであれば、ドルの外貨普通預金に置いておき、次の買い出動のチャンスを待つ方が合理的だろう。円転して為替のスプレッドや手数料をムダにする必要は必ずしもないのだ。

待機資金もお得に増やそう

金融機関によっては、証券会社と銀行で連携を深め、グループ間で外貨預金と海外株投資が使いやすいように整備を進めている。また、新規の顧客に対して、外貨預金に優遇金利をつけるなどのキャンペーンを実施している金融機関もある。

資産は自ら働いて資産を増やす。ぜひ、投資だけでなく待機資金も有効に活用することを実践していこう。

(提供:大和ネクスト銀行


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