情報通信メディアの利用時間に関する最新調査の結果が公表された。インターネットやテレビ、ラジオ、新聞などの利用時間はどのように変化し、インターネットに関しては何を目的に利用している人が多いのだろうか。本記事では、最新データを紹介しながら、資産運用における情報収集の重要性も解説していく。

情報通信メディアの利用時間の推移

ネット利用、何の目的が最多 ? 再認識したい、資産運用における情報収集の重要性
(画像=mapo / stock.adobe.com)

2024年6月、総務省情報通信政策研究所は2023年度版の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を公表した。この報告書では「テレビ」「インターネット」「新聞」「ラジオ」のメディア別の利用時間が紹介されている。

以下は、全世代における平日の利用時間 (単位:分) を2018年度版と2023年度版で比較した表だ。

【主なメディアの平均利用時間 (平日) 】

媒体2018年度2023年度
テレビ (リアルタイム)156.7分135.0分
テレビ (録画)20.3分16.4分
インターネット112.4分194.2分
新聞8.7分5.2分
ラジオ13.0分7.3分

比較するとテレビや新聞、ラジオの利用時間は減り、代わりにインターネットの利用時間が大きく増えている。こうした傾向が近年は続いている状況だ。

インターネットの利用目的は ?

インターネットは利用時間が増え続けているが、具体的に何を目的に利用されているのだろうか。前述の調査では、インターネットの利用項目別の利用時間が紹介されている。全世代のデータは、以下の通りだ。

【インターネットの利用項目別の平均利用時間 (平日) 】

項目平均利用時間
メールを読む・書く44.7分
ブログやウェブサイトを見る・書く26.2分
ソーシャルメディアを見る・書く38.9分
動画投稿・共有サービスを見る54.0分
VODを見る16.7分
オンラインゲーム・ソーシャルゲームをする24.2分
印刷物の電子版を見る5.3分
遠隔会議システムやビデオ通話利用8.9分

「動画投稿・共有サービスを見る」が最も長く平均54.0分だった。次いで「メールを読む・書く」が平均44.7分、「ソーシャルメディアを見る・書く」が平均38.9分となっている。

資産運用におけるインターネットの利用価値

インターネットは多様な目的で利用されているが、資産運用においてもその利用価値を再認識したい。

インターネットを活用することで、最新の市場動向や投資戦略に関する情報を効率的に得られる。適切な情報を手に入れることで、より賢明な投資判断が可能となり、資産運用におけるリターンの最大化も期待できるだろう。

情報収集を行う際の注意点

資産運用のために情報収集を行う際は、以下の点に注意したい。

古い決算情報などは、あてにしない

例えば、ある上場企業の決算情報を調べるときに最新情報の取得に努めず、古い決算期の情報をあてにしてしまったとしよう。この場合、当該企業の業績がその後に急激に悪化していたとしても気づかないまま、株式投資をしてしまうリスクが出てくる。

前提知識を身につけておく

いくら情報収集を行っても、そもそもの金融リテラシーが低い場合は思うような結果が出ないだろう。例えば、分散投資の重要性を知らずに一つの資産へ集中投資してしまうと、その資産の価値が暴落した場合、自らの資産価値は一気に目減りする。資産運用では、価値変動の相関性が低い資産を複数持つようにすると安心度が高まる。

また、複利効果を知らないとリターンの最大化がしにくくなる。複利効果とは、リターンを再投資することでさらに大きなリターンを生み、資産が増えるスピードが加速することを指す。この仕組みを知らないと、投資で出た利益を消費に使ってしまうなど資産の増加スピードを減速させる結果となりかねない。

情報収集を行う際に大切なポイント

続いて、情報収集を行う際に大切なポイントを3つ挙げる。

「情報の発信元の信頼性」を確認

まず、情報の発信元の信頼性を確認しよう。国の官公庁や信頼できる金融機関、リサーチ手法を公開している調査機関が出した情報であれば、信ぴょう性は高まる。一方、本名を明かさず匿名で発信されたSNSの情報などは、仮に魅力的な文言が並んでいても信ぴょう性について疑ってかかるべきだ。

「タイムリーな情報」であることの確認

情報によっては、鮮度が非常に重要だ。決算情報や米ドル対円の為替レート、重要な経済指標、2国間関係などは、時間の経過とともに変化する。なるべく新しい情報を探して参照しよう。

インプットした情報の整理も忘れずに

情報をたくさんインプットしても、それらを整理して包括的に分析できなければ、論理的な投資判断ができない。ただし、マクロ目線での分析は簡単ではないため、銀行などの金融機関で資産運用のアドバイスを受けることも一つの方法だ。

情報収集をルーチン化できない場合は……

現代は、インターネットでさまざまな情報を収集できる。しかし、やみくもに情報を集めるのではなくポイントを押さえて、定期的に情報にアクセスする視点を忘れないようにしたい。

もし、情報収集をルーチンでする時間がなかなかとれない場合は、リスクを抑えて投資が可能な「積立投資」を選ぶことも一つの選択肢だ。積立投資は、定期的に一定額を投資するため、市場のタイミングを見計らう必要がない。これにより、情報不足の中で極端な高値での購入や、焦って売却してしまうことを防ぐことできる。

例えば「外貨積立」は、日本円より高い利息が得られる外貨を定期的に積み立てていく投資手法だ。保有する外貨が増えていけば得られるリターンも増えるうえ、少しずつ積み立てることで為替変動リスクも抑えられる。取り組みやすい投資手法の一つとして覚えておこう。

(提供:大和ネクスト銀行


【関連記事 大和ネクスト銀行】
大切なのは「お金より時間」? お金の管理を「時間」に応用しよう
個人投資家の強みを活かす ! 機関投資家が参入しづらい銘柄の特徴
知っているとお得な「株主優待知識」をおさらい ! 全4選
落語で学ぶ「お金にまつわる」3つの教訓
富裕層が米ドルを選ぶ理由「殖やす」以上に大切なコト