空き家率が13.8%と過去最高を更新した。空き家を購入して不動産運用を検討している場合、「物件の選択肢が増えている」「まさにチャンス ! 」と飛びついても問題ないのだろうか。空き家を使った不動産投資でリターンをしっかりと出すには、一定程度以上のスキルや知見が必要だ。結論からいえば決して初心者向きの投資とはいえない。

そこで提案したいのが、不動産投資のように定期的な収入が得られ、初心者でも始めやすい「外貨預金」だ。本記事では、外貨預金が初心者に向いている理由や、その魅力について解説する。

空き家率の上昇が止まらない

空き家率13.8%で過去最高更新 ! 不動産運用で狙い目か。リスクはある ?
(画像=sommart / stock.adobe.com)

総務省が2024年9月に発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、空き家数と空き家率は過去最高を更新した。空き家率とは「総住宅数に占める空き家の割合」を指す。

空き家数と空き家率の推移

以下は具体的なデータの推移だ。1978年時点での空き家数は約267万9,000戸だったが、2023年には約900万2,000戸と約3.3倍に増加した。空き家率は、1978年の7.6%から2023年には13.8%にまで上昇している。

空き家数空き家率
1978年約267万9,000戸7.6%
1983年約330万2,000戸8.6%
1988年約394万戸9.4%
1993年約447万6,000戸9.8%
1998年約576万4,000戸11.5%
2003年約659万3,000戸12.2%
2008年約756万8,000戸13.1%
2013年約819万6,000戸13.5%
2018年約848万9,000戸13.6%
2023年約900万2,000戸13.8%

なぜ空き家は増えている ?

空き家の増加には、人口減少や住宅の老朽化、生活スタイルや住宅ニーズの変化が影響している。また、相続問題も大きな要因であり、実際に空き家が発生する原因の半数以上は相続に関係している。「親が住んでいた家をどうするか」について親族間で話し合わないまま放置されることで、空き家が増えるケースが多いのだ。

さらに、日本各地で進む過疎化も空き家増加を加速させている。地域に住みたい人が増えなければ、そこに住んでいた高齢者の住宅に買い手がつきにくくなり、空き家がそのまま残る状況が続いてしまう。

空き家増加は「不動産投資」のチャンスか ?

冒頭でも触れた通り、不動産投資において空き家は「投資対象」となりうるため、空き家の増加は「投資の選択肢が広がる」としてチャンスと捉える人も少なくない。特に、不動産投資の魅力の一つは、家賃収入という形で定期的な収入を得られる点にある。

保有しているだけでリターンを得られる利益のことを「インカムゲイン」と呼び、インカムゲインを目的に不動産投資を始める人も多い。しかし、空き家を利用した不動産投資にはさまざまなリスクが伴う。空き家が増える背景には「居住ニーズが低い」ことが関係しており、特に老朽化した建物の場合は維持や修繕にかかる費用を自己負担する必要がある。

加えて、不動産投資には現金化のしづらさ (流動性の低さ) や空室リスクもつきまとう。これらの不安要素を払拭できない場合、同じインカムゲインを得られる投資として、より低リスクとされる「外貨預金」に目を向けるのも一つの選択肢だ。

世界を舞台に運用できる外貨預金の魅力

外貨預金は、海外市場に目を向けた資産運用の一つだ。

外貨預金の仕組み

外貨預金とは、「外国の通貨 (外貨) で行う預金」のことを指す。米ドル、ユーロ、豪ドルなど様々な通貨があり、自分の希望する外貨を選んで預金できる。

現在、一般的に外貨預金は円預金よりも高い金利が期待でき、長期間運用すれば金利の差が収益に大きな影響を与える可能性がある。日本の低金利環境では円預金の利息は限られているが、外貨預金を活用することで他国の経済成長や高金利の恩恵を受けられることから、国際的な資産運用の選択肢として注目されている。

柔軟な運用スタイル

外貨預金では、外貨普通預金や積み立て、定期預金など自分に合った運用スタイルを柔軟に選べる。外貨預金のリスクの一つに円高による損失リスクがあるが、長期にわたって積み立てをすると多少の為替差損は安定的な金利収入によって穴埋めができるケースも少なくない。また、短期的な為替変動による為替差益を狙いたい場合には、短期預金を活用する方法もある。

不動産投資より気軽に始められる外貨預金

空き家を活用した不動産投資で資産を増やしている人もいるが、投資初心者にとって不動産投資はハードルが高いのが現実だ。その点、外貨預金は不動産投資に比べて気軽に始められるというメリットがある。不動産投資が多様な選択肢や複雑な管理を伴うのに対し、外貨預金では保有対象の外貨がある程度限定され、建物の老朽化や空室リスクを気にする必要もない。

また、不動産投資とは異なり「ほったらかし」という点も外貨預金の魅力だ。複数の外貨を組み合わせて保有することで、為替差損のリスク分散も図れる。さらに、株式や投資信託など他の資産運用法もバランスよく取り入れれば、より防御力の高いポートフォリオを構築し、堅実に資産形成を進められるだろう。早速、外貨預金向けの口座開設を検討してみてはいかがだろうか。

(提供:大和ネクスト銀行


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