診察までの平均待ち時間や医師の説明が十分かといった最新の調査結果が公表され、日本の医療機関の現状が浮き彫りになった。「いつまでたっても名前が呼ばれない」「あれだけ待ったのに、医師の説明がたった10秒で終わった」といった不満の声も少なくないが、実際のところ日本の医療機関の利用のしやすさはどの程度なのだろうか。
本記事では、こうした最新データに触れながら自分で行える「健康投資」についても紹介する。
外来患者の待ち時間はどれくらい ?
厚生労働省が行った調査のなかでは、外来患者の「診察等までの待ち時間」のデータがまとめられており、表にすると以下のようになる。
待ち時間 | 割合 |
---|---|
15分未満 | 27.9% |
15~30分未満 | 24.9% |
30分~1時間未満 | 20.6% |
1~1時間30分未満 | 10.5% |
1時間30分~2時間未満 | 6.5% |
2時間以上 | 5.2% |
不詳 | 4.4% |
最も割合が多いのは「15分未満」で27.9%、「10~30分未満」が24.9%と続く。ちなみに待ち時間は、病院の規模が小さいほど短くなる傾向がある。待ち時間が「15分未満」の内訳を見ると大病院では22.5%だったが、中病院では27.8%、小病院では29.7%となっている。
外来患者の診察時間は「5~10分」が最多
続いて、外来患者の診察時間についてのデータを見てみよう。
診察時間 | 割合 |
---|---|
5分未満 | 28.5% |
5~10分未満 | 40.9% |
10~20分未満 | 14.8% |
20~30分未満 | 6.4% |
30分以上 | 3.9% |
不詳 | 5.4% |
最も多かったのは「5~10分未満」で40.9%、次いで「5分未満」が28.5%となっている。ちなみに「5分未満」で比較すると、病院の規模が小さいほど割合が多くなる。大病院は23.9%、中病院は27.4%、小病院は31.2%といった具合だ。
医師からの説明は十分だった ?
ここまで「待ち時間」と「診察時間」という時間に関するデータを紹介したが、一方で「医師からの説明は十分」と感じた人はどの程度いるのだろうか。外来と入院でそれぞれにデータが算出されているため、ここで紹介する。「説明を受けた人」がどのように感じたかのデータは、以下のとおりだ。
回答 | 外来 | 入院 |
---|---|---|
説明は十分だった | 94.5% | 91.8% |
説明は十分ではなかった | 5.5% | 8.2% |
「説明を受けた人」のうち、医師からの説明が「十分だった」と感じた人の割合は外来で94.5%、入院で91.8%に上り、「十分ではなかった」と回答した人の割合は外来で5.5%、入院で8.2%となっている。つまり、多くの患者が医師からの説明に満足していることがわかるが、一定数の患者が不十分と感じている現状も見受けられる。
一方、「説明を受けていない」と回答した人の割合は、外来が全体の0.7%、入院では全体の2.5%となっており、少数だがこうした現状もあるようだ。
医療機関の質の向上に期待しつつ、頼り過ぎない視点も持とう
このようなデータの公表により、医療機関の質が少しずつ改善され、患者がより満足できる体制の整備が期待される。しかし、医療の質が大幅に向上するには時間がかかり、すべての病院で即座に改善が実現するわけではない。そのため、医療機関に頼るだけでなく、自ら健康維持に積極的に取り組むことも重要だ。
自分でできる健康投資の例
ここでは、簡単にできる健康投資の例を4つ紹介する。
マイクロエクササイズで手軽に運動
マイクロエクササイズやマイクロトレーニングは、短い運動をこまめに行うことを指す。1~2分程度の短いエクササイズであれば、スキマ時間を有効に活用できる。例えば、椅子に座ったまま行えるエクササイズや、ジャンプをしないため階下を気にせずできるスクワットなど、手軽に取り組めるものが多くある。こうした方法をいろいろと調べて、ぜひ試してみてほしい。
光を意識して睡眠改善
健康投資は運動だけに限らない。例えば、朝に自然光を浴び、夜にはブルーライトを避けることで体内時計を整え、睡眠の質を高めることも立派な健康投資の一つだ。朝に自然光を浴びることで、脳内で「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが脳内で増えるとされており、心身のリズムが整いやすくなる。また、夜にはスマホの使用を控え、ブルーライトを避けることで、深い眠りに入りやすくすることができる。
呼吸法でリラックス
簡単な呼吸法を取り入れて、自律神経を整え、心身のバランスを保つ習慣をつけるのもおすすめだ。特に「腹式呼吸」は、ストレス・マネジメントに効果的だとされる。「息を吐くときにお腹をへこませ、息を吸うときにお腹を膨らませる」と意識するだけで簡単にできる。椅子に座っていても、立っていてもできるので、日常生活の中で気軽に取り入れられるリラクゼーション法だ。
スタンディングデスクで姿勢改善
デスクワークをしている人は、姿勢改善や血行促進のためにスタンディングデスクを取り入れてみるのも一案だ。「スタンディングデスクって ? 」と馴染みがない人もいるかもしれないが、簡単に言えば、立ちながら仕事ができる高さの机のことだ。最初は立ち仕事と同じく足が疲れやすいが、徐々に体が慣れてくるとそれほど負担に感じなくなる。
医療機関は心強い存在だが、自らの健康管理も大切
本記事では、医療機関に関するデータと健康投資について解説してきた。病院は頼りになる存在だが、自分自身で取り組める健康投資も数多くある。特に健康寿命を延ばすためには、日々の小さな習慣が大きな意味を持つ。記事で紹介したマイクロエクササイズや呼吸法などを積極的に取り入れ、毎日の健康管理に役立ててほしい。
(提供:大和ネクスト銀行)
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