中国で宝飾品ニーズが戻りつつあるワケ

中国で地方のショッピングセンターに行くと、入り口で様々なチラシが配られている。マンションや宝飾品など結構な額のものが多い。「レストランの10%割引券」などのしみったれた(失礼!)チラシはあまり見ない。実際の購入状況は不明だが、ニーズがあるからこそ大々的に宣伝しているのだろう。

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東洋証券
(画像=東洋証券)

中国の宝飾品市場が回復中だ。20年1~9月期の販売額は前年同期比12.5%減とマイナスが続くが、月次ベースでは、前年同月比7.5%増(7月)⇒同15.3%増(8月)⇒同13.1%増(9月)と二桁の伸び。通年では昨年並みに戻る可能性もあるだろう。

夏場の販売好調の背景には結婚式ニーズがあったようだ。 新型コロナの影響で延期していた式を国慶節連休中(10/1~8)に開くケースが増えた。SNSには結婚式を“はしご”して「ご祝儀で財布がスッカラカン」という泣きの投稿も見られたほどだ。

大手企業の販売もじわり戻っている。周大福珠宝(01929)の既存店売上高(中国店舗)は7~9月期で前年同期比11%増。 3四半期ぶりのプラス成長となった。 六福集団(00590)はまだマイナスだが、32%減(1~3月期)⇒19%減(4~6月期)⇒4%減(7~9月期)とその幅を徐々に縮小している。

さて、中国株で“宝飾品御三家”と言うと、「周大福」「六福」に加え周生生(00116)が挙げられる。 ところが、中国には似たような店が多数あるから面食らってしまう。「周大生」「周六福」「金六福」「金大福」……。 何だか間違い探しのようだが、どれも立派なブランド店(らしい)。名前が似ているので「パクリでしょ?」と思いがちだが、ここは敬意を表して「インスパイア店」としておこう。老舗の勢いに触発されて、もしくはその繁盛にあやかって、知らず知らずのうちに名前が似てしまった……のかな?

先日、どこかで見たような企業がNY市場にIPO上場を果たした。 その名は名創優品(ミニソ、MNSO)。 中国の雑貨販売店で、私はいつも「ユニクロ+無印良品+ダイソーを足して3で割った店」と表現している。 商品コンセプトや価格設定、企業ロゴまでホンモノとそっくり。 テンセント(00700)が出資している有望企業だが、まさかあの企業がNYに上場するなんて……。 同じ米国では、良品計画傘下で「無印良品」を展開するMUJI USAが破産法を申請。本舗がコケて模倣者が躍進する。 いやはや、イミが分からない大変な時代になったものだ。

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話を戻して結婚ネタ。 来年2月の春節(旧正月)前後に中国人カップルの結婚式に招かれた。しかも2組。 ちょっと困るのは、“外資系証券”の勤務者(私)が「紅包(ホンバオ=ご祝儀)」をいくら包むのか、皆が興味を持っていること。外資のメンツにかけて……と行きたいところですが、諸般(オサイフ)の事情に鑑みローカル相場に従おうと思っています。もちろん「ケチ!」と思われない程度に……。

奥山要一郎(おくやま・よういちろう)
東洋証券 上海駐在員事務所 所長
2007年入社。本社シニアストラテジスト等を経て、2015年より現職。
中国現地で株式動向のウォッチや上場企業取材などを行い、中国株情報の発信・レポート執筆を手がける。

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