ソニーが米国で新たに開発中の「耳の穴をふさがないイヤホン」を発表した。音楽を聴いている最中も周囲の音が自然に聞こえ、他人が見ても耳がふさがっていないことが分かるため話しかけやすいというが、一般的なイヤホンと変わらない音質で音楽が楽しめる製品だ。

TBSの人気バラエティー番組「マツコの知らない世界」で特集が組まれたり、フィギュアスケートの羽生結弦選手が10個を使い分けるほどこだわっていると報じられたりと、イヤホンへの注目度が増している。

スマホを買えばついてくるが……

最近、まちなかで「b」マークの入ったヘッドホンをつけた若者の姿をよく見かけないだろうか。beats のヘッドホン、イヤホンは1万〜4万円と高価なモデルが多いにもかかわらず、10代〜20代の若者を中心に人気を集めている。理由はファッション性の高さにあるとされてきたが、ここ数年で音質も改善されたと評価する声もあがっている。もともとbeats by Dr. DREとして有名なラッパーDr. DREらによって設立されたのだが、2015年、Appleが買収したことも人気に拍車をかけたと見られる。

高価なイヤホンを身につける若者が増えた背景には、スマ-トフォンの普及がある。音楽をインターネットでダウンロードしてスマホで聴くことが一般化したことで、イヤホンを利用する機会が格段に増えたのだ。スマホを買えばイヤホンが付いてくるものの、これでは不満という人が増えてもおかしくないだろう。秋葉原などにあるイヤホン・ヘッドホン専門店では、連日3万円以上もするイヤホンを聴き比べする若者の姿が見られる。

最近はスマホを含めた音楽プレイヤーも、イヤホンは音質がよくなっている。高音質オーディオ「ハイレゾ・オーディオ」に対応し、原音に近い音を聴くことができる世界最小サイズのワイヤレススピーカーを4月に発売することでも話題となった。ソニーとパナソニックが最初に導入した「ノイズキャンセリング」も珍しくなくなりつつある。

最近のイヤホン、ヘッドホンはファッション性も高くなっている。ソニーが発表した「「耳の穴をふさがないイヤホン」に限らず、音質+αのこだわりを持つ人のニーズに応える商品が増えている。beats の製品もファッションアイテムとして注目された側面も否定できないだろう。

若者は物欲がないといわれるが、好きなものやこだわりのアイテムにはお金をかける傾向は失われていない。電通総研の電通若者研究部の「好きなものまるわかり調査」でも、無料や安価でまかなえるものは低コストで割り切る一方、価値があると判断したものにはお金をかけていることがデータとして出ている。

戦国時代は続く

ソニーが発表した「耳の穴をふさがないイヤホン」は価格未定だが、1万円以上のイヤホンも売れている。人気の商品では、たとえばJVCケンウッドのスポーツ向けイヤホン「HA-ETR80BT」。推定市場価格は1万円前後で、汗や水しぶきに強い防滴仕様にもなっており、屋外でのスポーツ時でも問題ない。またオンキヨーが昨年秋に発売したカナル型イヤホン「E700M」は価格.comの人気ランキングでトップに輝いた実力派。カナル型ながらイヤホンでは珍しいセミオープン(半開放)型で、価格は1万5000円前後だ。

スマートフォンが生活に不可欠なものとなっているので、イヤホンに対する需要は今後さらに加速するだろう。イヤホン業界の開発競争も激化していく中、消費者としては選択肢が増えて嬉しい限りだ。音質か、機能か、デザインか、それとも価格か。自分好みのイヤホンを探して、自分だけの音の世界に浸ってみるのはいかがだろうか。(ZUU online編集部)

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