3月第4週の東京株式市場は、日経平均株価で1万7000円を挟んだ一進一退の展開となった。連休明けの22日こそ、堅調な米国株の動きを受けて日本株にも見直し買いが入り、終値で1週間ぶりに1万7000円の大台を回復した。しかし、23日は出来高が今年最低水準まで細り、日経平均の値動きは動意性に乏しい展開となった。

今週は3月決算企業の期末配当を狙った買いが入り、それが過ぎると実質的な新年度相場を迎える。4月1日発表の日銀短観は、今後の日本株の方向性を占う上で重要なイベントになると予想される。

自動車や情報通信、金融などがランクイン

それでは、今回は東証1部の時価総額上位10銘柄のランキングを見てみよう。

(1) トヨタ自動車 <7203> 20兆6288億円
(2) NTTドコモ <9437> 10兆7782億円
(3) NTT(日本電信電話) <9432> 10兆3603億円
(4) JT <2914> 9兆2560億円
(5) KDDI <9433> 8兆3040億円
(6) 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 7兆5902億円
(7) 日本郵政 <6178> 6兆9480億円
(8) ソフトバンクグループ <9984> 6兆6468億円
(9) ゆうちょ銀行 <7182> 6兆3990億円
(10) ホンダ <7267> 5兆6027億円
※3月25日現在。

時価総額は、株価に発行済み株式数を掛けて算出する。東証1部上場企業の中でも、最も企業価値の高い銘柄10傑である。業種でみると自動車、情報通信、金融で複数の銘柄がランクインしている。

興味深いのはNTT、JT、日本郵政など、もともと国営・公営だった企業が目立つことだ。巨額の赤字を抱え、分割民営化された旧日本国有鉄道をルーツとする東海旅客鉄道(JR東海) <9022> は17位、東日本旅客鉄道(JR東日本) <9020> は19位と、やはり上位に位置している。好業績の旧国営企業が投資家から高く評価されているのは、日本の株式市場の特徴と言えるだろう。

トヨタ自動車、円相場の動きの影響大

今週は、時価総額ランキング10社からトヨタ自動車、NTTドコモ、日本郵政の3銘柄を取り上げたい。

トヨタ自動車は国内首位の自動車メーカー。2015年にグループ会社を含めて販売した新車の台数は1015万台で、ドイツのフォルクスワーゲンなどを抑え世界首位となった。

代表的な輸出関連株であり、株価は円相場の値動きに左右されやすい。為替が1円動くだけで、トヨタ自動車の年間営業利益は380億円も変動するのも特徴だ。同社の株価は、円高を背景に年初の7000円台前半から5000円台まで下落した。ただ、最近は円高の流れが一服していることもあり、6000円を割り込んだ水準では押し目買いが入りやすく、足元では強含みの展開となっている。

NTTドコモ、順調に契約伸びる

NTTドコモは国内最大手の携帯電話会社。スマートフォンの普及によりデータ通信料が伸びている。光回線とのセット販売契約「ドコモ光」など、契約も順調に伸びている。

携帯電話大手3社は総務省の要請を受け、「実質ゼロ円」などと呼ばれる大幅な値引き販売をやめた。そうしたなか、今月31日から米アップルのスマートフォン新製品「iPhoneSE」が販売される。支払い総額は1万300円~1万800円とほぼ横並びとなる。新規契約数の伸び率が注目される。

日本郵政の新社長に長門氏が就任

日本郵政は傘下に日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を傘下に持つ持株会社。2015年11月に日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が同時に上場した。元東芝社長で、日本郵政の株式上場を果たした西室泰三社長が入院し、復帰が難しくなったため、長門正貢ゆうちょ銀行社長が日本郵政の新社長に就任した(ゆうちょ銀行社長には足利銀行を再建した池田憲人氏の就任が決まった)。

4月1日から、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額は従来の1000万円から1300万円に引き上げられる。日銀がマイナス金利政策を導入し、運用環境は悪化している。とはいえ民営化が進み、事業面の規制が緩和されることは長い目でみればプラスだ。(ZUU online 編集部)

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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