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投資の応用
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【或る銀行員の独白】

銀行員も首を傾げるおかしな「キャンペーン」

銀行,マイナス金利
(写真=Thinkstock/Getty Images)

銀行のキャンペーンといえば、ボーナス時期の定期預金の金利上乗せキャンペーンが真っ先に思い浮かぶ。運用難の昨今、金利上乗せキャンペーンは根強い人気がある。どうせ預金するなら少しでも高い金利で預けたいというのが人情だ。他にも自動車ローンの金利を安くするなど、利用者にとっては魅力的なキャンペーンが行われる。しかし、どうにも理解できないキャンペーンが存在する。ストレートに言えば、「これはどう考えても失敗だ」というキャンペーンがある。「どうして誰も責任を取らないんだ」という経営上の判断ミスだってある。銀行に限ったことでは無い。日本中のそんな不可解な状態が、銀行員も首をかしげるおかしな「キャンペーン」に凝縮されているのだ。

いまさらクレジットカードを売れといわれても…

お客様はメリットがあるからこそキャンペーンを利用してみようと思うものだ。ところが、一方的に時代錯誤な商品を売りつけようとするキャンペーンに販売現場が巻き込まれることがしばしば起こる。

たとえば、銀行が発行しているクレジットカード。あなたはこんなモノを欲しいと思うだろうか。なかには「こんなクレジットカードが欲しかったんだ!」と心から喜んでいただく方がおられるかも知れないが、残念ながら私はそんなお客様に出会ったことがない。優良顧客を囲い込むとか、もっともらしい理由はあるのだろうが、それにしても銀行というところは時としてとんでもない馬鹿げた商品を本気で売ろうとするのだから、たちが悪い。

クレジットカードだけではない。銀行がキャンペーンを打って、大々的に推進しようとする商品はなぜかハズレが多い。その原因を一言で言えば、銀行と言うところにはセンスがないのだろう。

我々は本当にインフレを望んでいるのか

もっともそれは銀行だけに限ったことでは無い。日本中に首をかしげたくなるようなおかしな政策や経営上の判断ミスが蔓延している。

たとえば、いまや国是と化した日銀の金融緩和政策だ。そもそも中央銀行である日銀による財政ファイナンスは、その危険性から財政法第5条により法律的に規制されてきた。ところが、国の財政が悪化し財政再建が困難となるや、財政再建の特効薬として「インフレターゲット論」が持ち出される。インフレ期待により、物価が上昇して成長がもたらされるというものだが、本当に我々はインフレを望んでいるのだろうか。

インフレが現在の日本経済の問題点を解決してくれるとは私には思えない。正直なところ、私個人の生活はデフレの方が良いのではないかと思えるのだが。

日本中に大本営発表が満ちあふれている

銀行はお客様の大切なお金を預かっている。間違いがあってはならないのは言うまでもない。たとえ1円でも、間違いは許されない。間違いは徹底的に究明する。それが銀行の銀行たるゆえんであり、信用の根元である。「銀行に失敗は許されない」「銀行に失敗はない」銀行の姿勢にはそんな発想が貫かれている。

「銀行に失敗は許されない」それが銀行の信用を維持するための戒めであれば何ら問題は無い。しかし、必ずしもそうとはいえない。実際は誰もが責任を負わされないための方便に成り下がってしまっている。そして、実体とはかけ離れた大本営発表が時として行われるのだ。「キャンペーンが順調」といった具合に。それは戦時中の大本営発表のように実に馬鹿馬鹿しく無意味だ。むしろ、経営判断を誤らせる著しい弊害をもたらす。

「アベノミクスは終わっていない」「ほかに道は無い」とこれまでの道を突き進もうとする総理大臣。「金利面で政策効果が表れている」と言ってはばからない日銀総裁。彼らの言葉を聞くにつけ、そして、権力を批判しようとしないマスコミの姿勢を見るにつけ、日本中に大本営発表が満ちあふれているように思えてならない。

そして誰も責任を取らなくなった

銀行のキャンペーンを例に挙げたが、個別のキャンペーンや営業政策の失敗だけを取り上げて問題視するつもりは無い。実は、ここに日本経済全体の縮図があるように感じるのだ。

いつの間にか日本全体が失敗を失敗と認めなくなってしまった。1990年代のバブル崩壊、銀行の不良債権処理問題、そして2011年の原発事故、大企業の不正会計問題、さらには「銀行のなかの銀行」である日銀の金融緩和政策。政治家も経営者も官僚も誰一人失敗の責任を取らず、自らの保身のためにごまかしの政策を継続してきた。

失敗の責任者である政治家や経営者、官僚は過去の成功にしがみつき、誤った政策や経営判断を異常なまでの規模に膨らませて失敗をごまかし続けている。特効薬のはずだった金融緩和拡大と国民の年金を惜しげも無くつぎ込んだ官製相場は次第に特効薬としての効果が剥落し、やめられない麻薬になり、日本経済を蝕みつつある。無駄な公共工事がいつの間にか復活し、国の債務は天文学的に増加し続けている。政府が打ち出の小槌よろしく発行し続ける国債を引き受けている日銀はどこまで持ちこたえられるのだろう。日本経済はどこにも出口が無いまま、行けるところまで行こうとする無謀な政策の実験場と化している。

誰もが過ちを認めようとしない。失敗が明らかになることを恐れ、次から次へとさらなる劇薬を投入する。その効果を顧みること無くすり替えられたアベノミクスの「3本の矢」「バズーカ」「マイナス金利」というサプライズにどこまでも執着する日銀の金融政策はその象徴ではないだろうか。(或る銀行員)

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