行列,高級,専門店
(写真=PIXTA)

プレミアムビールやプレミアム缶コーヒーなど安さより質の良さを訴える商品が次々にヒットしている。通常の価格の2倍以上の商品でも、平日朝から行列が出来るお店もある。安価で気軽な食べ物ほど行列を作りやすいと言われるが、なぜ高級店に行列ができるのか。

休日2時間待ちのクロワッサン、午前中に売り切れる食パン

東京・丸の内にある「エシレ メゾン デュ ブール」はフランス製の発酵バター、エシレの専門店だ。周囲はいつもバターの甘い香りが漂い、昼前には売り切れてしまう商品も多い人気店だ。

フランス・エシレ村で昔ながらの製法で作られるこのバターは完成まで数日かかり、すぐ日本へ空輸される。人気の「クロワッサン・エシレ 50%ブール」は、原材料の半分がバターで、バターを味わうためのクロワッサンだ。1個400円と普通のクロワッサンの2~3倍の値段ながら、全3種類食べ比べのために買い求める人も多く、平日でも開店1時間以上前から列ができ始める。

浅草にある「抹茶ジェラートショップ壽々喜園×ななやコラボショップ」は老舗茶問屋とスイーツショップがコラボして手掛けた。今年1月の開店当日から行列ができ、一躍有名店となった。

農林水産大臣賞を3年連続受賞したという静岡県産抹茶をぜい沢に使った一番濃厚なジェラート「No.7」は、もともと静岡県内の店舗でしか食べられなかったこともあって、人気を博している。価格はシングル・カップ530円で、ほうじ茶、玄米茶、みるくなどの種類も並ぶ。

銀座にある食パンとサンドイッチの店「セントル・ザ・ベーカリー」は、人気フランスパン屋「ヴィロン」のオーナーが食パン専門店として3年前にオープンした店で、こちらも行列が絶えない。

コンビニやスーパーなどで100円程度の袋パンが大きなシェアを占める中、一斤700円~850円と決して安くない。本物のパンの味を知ってもらいたいと厳選された小麦粉を使い、時間をかけて焼き上げるため数が少なく、午前中に売り切れる商品もあるくらいだ。

紹介した人気店の共通点

この3店に共通する要素は4つある。

1つ目はこだわりの味とその質の良さだ。並んでまで食べたいと思うリピーターの存在がその証拠である。

2つ目はそこでしか食べられないことだ。チェーン展開していないため、消費者が分散されない。

3つ目は大量購入ができないことだ。「エシレ メゾン デュ ブール」と「セントル・ザ・ベーカリー」は一人が買える数が限定されており、「抹茶ジェラートショップ壽々喜園×ななやコラボショップ」はジェラートが溶けるためまとめ買いができず、もう少し食べたいと思ったら、また行列に並ぶしかないのだ。

4つ目、これは3つ目の要素と近いが、数量限定であることも大きな要因だ。売り切れても補充されないため、消費者は確実に買いたいと開店前から待たざるを得ない。

今回紹介した店はいずれも行列ができる人気店で、自分へのご褒美やちょっとしたお土産にと買っていく人が多いそうだ。行列は心理学では「同調行動」の一種とされ、そこをうまく活用した「行列マーケティング」という手法もあるが、紹介した3店を見ると、それだけではないのが分かるだろう。どのくらい美味しいのか、一度「行列」に並んでみてもいいかもしれない。(ZUU online 編集部)

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