3月最終週の東京株式市場は軟調な展開となった。日経平均株価は、3月期末の配当や株主優待の権利付き売買最終日だった3月28日こそ輸出関連株が買われ堅調だったものの、権利落ち後の29日からは4日続落した。同31日は引け際に売りが膨らみ安値引け、翌4月1日は日銀短観が景況感の悪化を示す内容となったため大幅安となった。日経平均株価の終値は1万6164円16銭と、3月1日以来の1カ月ぶりの安値となった。

円相場が週末にかけて1ドル=111円台まで上昇し、株式市場では投資家心理が悪化した。日経平均の値動きを左右する外国人投資家から売りが続いており、しばらくは1万6000円前後で下値を模索する展開となりそうだ。

中小型の材料株の上昇目立つ

それでは、今回は東証1部の「月間値上がり率ランキング」をみてみよう。

(1) マネーパートナーズグループ <8732> 800円 +60.97%
(2) ペプチドリーム <4587> 6850円 +60.61%
(3) JPホールディングス <2749> 410円 +58.91%
(4) ベリサーブ <3724> 4280円 +51.83%
(5) ノーリツ鋼機 <7744> 695円 +51.42%
(6) イーレックス <9517> 1820円 +50.04%
(7) テクノスジャパン <3666> 4200円 +47.99%
(8) N・フィールド <6077> 1699円 +45.34%
(9) ミマキエンジニアリング <6638> 667円 +44.69%
(10) サイバーリンクス <3683> 1102円 +42.75%
※銘柄名、3月31日の株価、月間上昇率の順。

上位には中小型の材料株が並んだ。業種別でみると情報通信業が3銘柄ある程度でばらけている。大型株が値を崩す中、値動きの良い中小型の材料株に期待をかける投資家が多かったようだ。

マネーパートナーズグループ、仮想通貨関連物色で買われる

それでは、上位10社の中からマネーパートナーズグループ、JPホールディングス、ベリサーブの3銘柄を取り上げたい。

マネーパートナーズグループは外国為替証拠金取引(FX取引)の専業大手。仮想通貨関連銘柄として2月後半から売買高が急増した。仮想通貨を貨幣として認定する法規制が決定し、決済や法定通貨との交換に使える安全な貨幣となるとの見方から人気化した。

2月12日の年初来安値278円から、3月9日には年初来高値1212円まで一気に駆け上がった。今後も材料株として折りに触れて買われる可能性はある。ただ、3月末時点では年初来高値の3分の2まで下落しており、一段高となるには新たな材料が必要になりそうだ。直近では3月31日にビットコイン取引所「クラーケン」を運営する米ペイワードへの出資を発表したが「持ち株比率は僅少」にとどまるという。

JPホールディングス、待機児童への関心の高まりを背景に上昇

JPホールディングスは保育園運営等の子育て支援大手。「保育園落ちた日本死ね」というタイトルのブログ記事をきっかけに、子供を保育園に預けられず女性が復職できない問題への社会的関心が高まっている。政府が待機児童の解消に向けた緊急対策を発表したこともあり、動意づいた。

JPホールディングスは2月中旬に年初来安値231円を付けた後、3月30日に年初来高値420円まで上昇した。3月18日に東証マザーズに上場した同業のグローバルグループ <6189> が、上場後も強含んでいることも支援材料となっている。待機児童問題は、仮想通貨に比べて分かりやすく、幅広い層が関心を持つテーマであるため、買いが入りやすいようだ。

ベリサーブ、自動運転関連で人気集める

ベリサーブはソフトウエアの検証を専門とするSCSK <9719> のグループ企業。高度道路交通システム(ITS)の検証も手掛けている。テーマとして息の長い自動車の自動運転関連株の一角として、ベリサーブも物色されている。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は3月中旬、2022年までに米国で販売する新型車に自動緊急ブレーキを標準装備することで自動車メーカー20社と合意したと発表した。この影響で自動運転関連市場の拡大期待が高まった。(ZUU online 編集部)

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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