選挙,政治,自民党,民進党
(写真=PIXTA)

7月10日もしくは17日に行われると言われている第24回参議院議員選挙。18〜19歳が新たに投票権を与えられる。同じ日に衆議院選挙も行われるのではないかと言われている。もし衆参同時に選挙を行った場合には約30年ぶりとなる。

しかし参議院議員選挙が行われるのは当然だが、なぜ今、衆議院解散が叫ばれているのだろうか。衆参同時選挙の意味について確認する。

憲法改正、消費税延期などの重大方針固めるため

衆参同時を行う理由の最大の理由は、安倍政権が今後固めようとしている憲法改正や消費税延期について民意を問う事であろう。

特に東日本大震災で改めて浮き彫りとなった、大震災などの有事の際に、非常事態条項の新設については、南海トラフ地震や首都直下地震が目前に迫る中で整備が急がれている。これは民法などの平時の際の法律よりも、国民の命を優先して各種行動が出来る様にするもので、パリの同時多発テロの際にフランスが発動し、テロ収束を行った事で必要性の理解が深まりつつある。

また国債の乱発を防ぐ財政規律条項の新設、環境権の新設など、改憲にて設定すべき事項は多い。

直近は海外の経済状況により市場は苦戦しつつあるが、有効求人倍率や倒産件数から見るとやはり経済は回復基調にある。この経済回復の流れを止めないためにも消費税の延期は必要との声も大きい。

その決定を行うために、参議院だけでなく衆議院の両院において選挙で信を問う、両国会にて国民に意思決定を行ってもらうことで重大方針を国民の意思と共に進める事ができるというのが安倍政権の考え方であろう。

衆参同時選挙は自民には望ましい

永田町はすでに衆参同時選挙が前提で、政治家たちは動き出している。3月からは全国各地で参議院議員候補者だけでなく衆議院議員も積極的に国政報告会や駅立ちにて政策の訴えを行っているのが目につく。もはや衆参同時選挙は何らサプライズ性がなくなってきている状況だ。

衆参同時選挙は自民党として望ましい。従来、参議院議員選挙は政権選択選挙とはならない為、「国の方向性をどの政党に託すか」ではなく、個人もしくは政党に対する人気投票となりがちだ。

その為、スキャンダルや高校球児に対する恫喝問題を中心に様々な批判が多発している自民党に対しては、石破大臣が述べた「なんか自民、感じ悪いよね」という印象が国民の中に広がっている。

一方で野党側は統一候補を擁立し、民進および共産が一緒になって選挙を行なう方針だ。この中で参議院選挙だけ行った場合、自民党に対してお灸をすえるという意識により、1人区を中心に自民党候補が敗退する可能性が高い。

しかし、衆参同時で行った場合には政権選択選挙として、「果たしてかつての民主党政治に戻してよいのか」、連立という形になるかは定まっていないが「共産党が入った政権を許してよいのか」という議論となる。

その場合は消極的支持、消去法的な支持であっても自民党へ多くの票が流れるであろう。衆議院はしばらくの間は自民党の勝利が確実視されている。その勝利の余波を参議院まで波及させるのが衆参同時選挙の目的だ。

どのタイミングで解散されるのか

衆参同時選挙が確実視されているとはいえ、解散の権限は安倍総理ののみが保持している。タイミングを見定める最大のイベントが5月26,27日に三重県で行われるサミットだ。

当然、諸外国の首脳を招いて会議を行う以上、サミット期間中に選挙を行うことはできない。安倍首相自身も衆議院議員でもあり、開催国首脳の不在は選択肢とはならない。

しかし、各国に日本の政治の安定性を見せる必要もある。その為、一時は参議院にて予算が通った3月末に衆議院が解散するのではないかとの憶測が流れ、多くの国会議員が用意を始めていた。

3月末には解散は行われなかったが、4月中旬時点では月内の衆議院解の可能性は存在している。

もう一つの可能性は、サミット最終日に消費税先送りと財政出動を世界に宣言すると同時に6月1日解散、7月10日投開票のシナリオだ。すでに世界経済分析会合にてノーベル経済学賞学者をはじめとする世界トップの経済学者を招へいし消費税問題について議論を行っている。

日本経済、また世界経済との協調の為にも消費税の先延ばしを行うことを世界の首脳と共に宣言し、その信を日本国民に問う。これにより与党圧勝を目指すのが最も可能性の高い解散のタイミングだ。

現在の経済状況を見るに、消費税引き下げは先延ばしにするほかないだろう。しかしその決定を行うには国民に信を問う必要がある。

また旧民主党、旧維新の党が合併した民進党は、いまだ国民に浸透したとは言いづらい状況だ。野党統一候補についても、参議院の選挙区調整にも苦戦していることを見ると、衆議院の選挙区調整についてはより苦戦しそうだ。場合によっては野党共闘自体が崩壊する可能性も高い。

衆参同時選挙が行われることは間違いがなさそうだ。民進党は果たして私たちの1票を託すことが出来る政党となったのか、また自民党はサミット後にどの様な日本のビジョンを掲げていくのか。

同時選挙は結果如何で日本が大きく変化する分岐点となりそうだ。(木之下裕泰、金融・政治アナリスト/MBA・金融工学修士)

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