株式投資,三菱自動車
(画像=Webサイトより)

5月第1週の東京株式市場は軟調だった。4月28日の金融政策決定会合で日銀が追加緩和を見送ったことを受け、大幅な円高となった。週初2日の日経平均株価は、円相場の動きに合わせる形で前週末比518円安と急落。3連休の後の6日も、円高への警戒感や米国株安を受けて軟調となった。同日の日経平均は休日前比40円安で、6営業日続落となった。

日経平均株価は1万6000円を割り込むと押し目買いも見られたが、今後の円相場の動向に不透明感を残していることもあり、十分な注意が必要だろう。

有利子負債ランキングは自動車、情報通信、商社が上位

今回は東証1部の有利子負債ランキング上位10社をみてみよう。

(1) トヨタ自動車 <7203> 18兆9778億円
(2) ソフトバンクグループ <9984> 10兆0976億円
(3) 野村ホールディングス <8604> 9兆2687億円
(4) ホンダ <7267> 6兆7908億円
(5) 日産自動車 <7201> 6兆6300億円
(6) 三菱商事 <8058> 6兆3489億円
(7) 東京電力ホールディングス <9501> 5兆3119億円
(8) 三井物産 <8031> 4兆7939億円
(9) 日本電信電話 <9432> 4兆4445億円
(10) 住友商事 <8053> 4兆4212億円
※銘柄名、証券コード、連結有利子負債(億円未満切り捨て)の順。データはヤフーファイナンスより引用。

自動車の購入者向けにオートローンを提供している自動車メーカーが上位を占めている。また、海外投資額が大きい商社や、インフラへの投資が膨らみやすい情報通信、電力なども多い。

トヨタ自動車、11日の本決算に注目

それでは、今回のランキングからトヨタ自動車、ソフトバンクグループ、三菱商事の3銘柄を取り上げたい。

トヨタ自動車は独フォルクスワーゲンと世界首位を争う自動車国内最大手。輸出関連株の代表的銘柄だ。

当面の注目材料は11日の本決算発表だ。通期業績予想を公表する。トヨタは熊本地震で製造を停止しており、この影響についての会社側の見解が示される。決算当日には取締役会が開かれることから、他の重要なニュースが公表される可能性もある。

ソフトバンクグループ、米スプリントてこ入れが課題

ソフトバンクグループは携帯電話、インターネット関連会社を傘下に持つ持株会社。創業者の孫正義社長は米Google出身のニケシュ・アローラ氏を副社長に招き、海外事業強化を進めている。

目下の経営課題は米携帯電話4位スプリントのてこ入れ。同社の買収により、ソフトバンクグループの有利子負債は現在の水準まで拡大した。スプリントは2013年の買収時点では米3位だったが、買収後にTモバイルUSに抜かれた。各四半期ごとに巨額の最終赤字を出している。

孫社長は、子会社スプリントの固定費削減のため、数千人のリストラを実施する方針を表明している。また、スプリントは料金後払い型のサービスにより契約数を今年3月まで5四半期連続で伸ばしている。経営改善の成否を見極めるには、もう少し時間が必要だ。

三菱商事、資源安で最終赤字に転落

三菱商事は、三菱グループ中核の総合商社大手。2016年3月期は、チリの銅事業やオーストラリアのLNG事業で減損損失が発生し、1500億円の最終赤字を計上する見通しとなった。最終赤字は創業以降初で、経営陣は役員報酬カットを決めた。資源に依存せず利益を積み上げるビジネスモデルへの転換が求められている。

また、三菱自動車 <7211> の燃費データ不正問題をめぐり、三菱商事は三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三菱重工業 <7011> と協力し支援する立場にある。過去にリコール隠し問題を起こした頃から企業体質が変わらないことが明らかとなった今、三菱グループとして三菱自動車をどう再建・処理するかという重い課題を背負っている。(ZUU online 編集部)

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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