6月20~24日の東京株式市場は、英国のEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票に左右された。投開票の結果が判明した24日は、取引時間中に離脱派勝利が確定したため売りが殺到し、日経平均株価は前日比1286円33銭安の1万4952円2銭に急落。これは2014年10月以来、1年8カ月ぶりの安値で、過去8番目の下げ幅である。

今後も英国のEU離脱のショックが収まるまで、日本株も含め世界の株式市場は粗い値動きが続きそうだ。

英EU離脱の影響を受けにくい内需株が上位に

それでは、今回は東証1部で25日移動平均と比べて「プラス方向のかい離率が高い」上位10社を見てみよう。

(1) 東京鐵鋼 <5445> かい離率+20.40%
(2) 西松屋チェーン <7545> かい離率+14.07%
(3) 福井コンピュータホールディングス <9790> かい離率+12.27%
(4) ファーストエスコ <9514> かい離率+10.92%
(5) ニトリホールディングス <9843> かい離率+8.78%
(6) イーブックイニシアティブジャパン <3658> かい離率+8.41%
(7) 日新電機 <6641> かい離率+8.41%
(8) ユーシン精機 <6482> かい離率+7.96%
(9) エイチーム <3662> かい離率+7.93%
(10) サイバーエージェント <4751> かい離率+6.52%
※6月24日終値をもとに算出

上記ランキングでは、情報通信や小売りなど内需系の業種が目立った。24日は英国の国民投票の結果判明を受けて幅広い銘柄に売り注文が出て、値上がりしたのはたった6銘柄。英国に事業拠点を持つ企業の株が売り込まれる一方、内需系の銘柄は影響を受けにくかったようだ。

東京鐵鋼、投資ファンドのエフィッシモが大株主に登場

今回は、プラス方向の高かい離率ランキング上位10社の中から、東京鐵鋼、西松屋チェーン、エイチームの3銘柄を取り上げたい。

東京鐵鋼は中堅の電炉鉄鋼メーカー。建築用の棒鋼を強みとする。24日の相場急落時に値上がりした6銘柄のうちの1つだ。

2017年3月期の連結業績予想は、原料である鉄スクラップの価格上昇と、鉄筋コンクリート製建物の需要低迷が重なり、通期営業利益が前期比64%減の13億円に落ち込むとみている。

21日、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」が東京鐵鋼株を5.5%保有したとする大量保有報告書が公表されたことで、今後の株価上昇への期待が高まった。翌日22日には一時、ストップ高まで上昇。その後も週末にかけて3日続伸した。

西松屋チェーン、3~5月の販売好調

西松屋チェーンは子ども服の小売りチェーン。16日に2017年2月期の通期業績予想を上方修正し、営業利益見通しを68億円から75億円に引き上げた。

2016年3~5月は季節商品が値引きしなくても売れ、プライベートブランド商品の販売も好調だった結果、計画を上回った。22日には既存店の売上高が前年同月比8.5%増と好調だったと公表した。こうした足元の好調な販売状況が素直に市場で好感された。

エイチーム、新作アプリが好調な滑り出し

エイチームは名古屋に本社を置き、スマートフォン向けゲームなどを手掛けるIT企業である。

スマートフォン向け新作アプリのロールプレイングゲーム「ヴァルキリーコネクト」が好調。9日の配信開始から13日間で累計100万ダウンロードを突破したと公表し、株式市場で人気を集めた。

また、グループ会社である A.T.brides が結婚式の様子をVR(仮想現実)で見せるサービス「すぐ婚VR」を開始したと発表したことも買い材料となった。(ZUU online 編集部)

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