今のままでは Google に自動車業界を席巻される
コンピュータ業界は、OSのオープン化、半導体や周辺機器のモジュール化が進んだことで、PCが「プラットフォーム」に変化した。その変化に対応できない多くのPCメーカーが淘汰された。自動車業界でも、今後はプラットフォーム化が進む中で、たとえ大手自動車メーカーであっても存続が難しくなる恐れがある。
トヨタといえども、既存の権益にしがみついているわけにはいかない。「クルマとAIの融合」という時代の変化に乗り遅れたら、世界の自動車産業の進化に取り残されるかもしれないからだ。
自動車業界では、車載OSとしてGoogleのAndroidと、トヨタが主導するリナックスを活用したAGL(オートモーティブ・グレード・リナックス)が火花を散らしている。それをAppleが静観しているという構図だ。
Googleの子会社ディープマインドのAIは非常に優れている。今年、囲碁の世界チャンピオンを破って注目されたのは記憶に新しいところだ。AIにゲームを経験させ、どうやって勝つかをAI自身が学ぶようになっている。
レーシングゲームの分野でも研究が進んでおり、最終的にはこの技術を自動運転へ応用する構えだ。 Googleは、AIについても技術の一部をオープンソース化する意向を示している。
テスラの自動運転で米国初の死亡事故
ところで、今年5月、テスラ・モーターズの電気自動車「モデルS」が自動運転機能「オートパイロット」を使用中にトレーラーと衝突、ドライバーが死亡する事故があった。
強い日差しのせいで、ドライバーもオートパイロットも前方の左折するトレーラーに気がつかず突っ込んでしまったとされている。初の自動運転車での死亡事故ということで、コンピュータに運転を任せるのは怖いと思った人も多いことだろう。自動車産業は、次世代自動車の開発に「大きな課題」を突きつけられることとなった。
自動運転のテクノロジーを、AIがディープラーニングで使いこなせるようになったとき、初めて「完全自動運転」が実用化されるのだろう。(ZUU online編集部)
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