米モルガン・スタンレーは、「インド経済が本格的な成長期を迎える」との見解を示すレポートを発表した。
物価の安定、購買力の強化、金融政策の緩和、雇用拡大に力を入れると同時に、過疎地の開発に取り組むことで、長年にわたり中国の影に隠れていたインドが、歴史的な転機を迎えると予想している。
国内消費と中央銀行支出が成長のカギ
モルガンは今年月にインドの経済予想を、2016年は7.5%(0.2ポイント減)、2017年は7.7%に一旦引きさげたものの、7月には2016年を0.2ポイント、2017年を0.1ポイント引きあげている。
その後発表したレポートでは、インド地域の調査・エクイティ戦略部門責任者、リドハム・デサイ氏は、今後数カ月にわたって特に一般消費財、リテール銀行、工業が勢いよく伸び、インド経済が2017年3月には6.8%まで成長すると見ている。
成功のカギを握るのは国内消費と中央銀行支出だ。
過去数年、融資産業が飛躍的な伸びを記録しているリテール銀行は、景気の向上とともに一般消費者からの借り入れ額が増し、さらに堅硬な成長を遂げると期待されている。
工業では輸出の弱さが継続するものの、政府が設備投資に本腰をいれていることなどが強力な後押しとなり、今後の成長を予感させる。
ポジティブな見解を示している点では、米ゴールドマン・サックスも同様だ。6月の発表では、2016年の経済成長予想を7.9%に設定し、2018年には8.1%に達するとしている。
英EU離脱がインドにおよぼす可能性については否定できないものの、単一国としての成長要因を最大限に活かすことで、そうした懸念を上回る成果が現実のものとなるかも知れない。
米信用格付け会社、ムーディーズはモルガンやゴールドマンほど楽観的ではなく、インドが低迷状態から脱出するには、まだ時間を要するとコメントしている。(ZUU online 編集部)
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