ファンドマネージャーも「サラリーマン」なのだ

投資信託などを運用するファンドマネージャーなら、扱う金額は当然ながらさらに大きくなる。◯◯◯億円を運用していると聞かされると、すごい人なのだと思ってしまいがちだ。しかし、彼の力量でそれだけの資金を集めたわけではない。

日本の投信会社や証券会社に限って言うなら、彼らの多くは実はサラリーマンだ。米国のヘッジファンドや金融機関のように能力ひとつで巨額の報酬を得ている人は、ごく一部の限られた世界の話にすぎない。少なくとも個人投資家が購入する投資信託を運用しているファンドマネージャーについては、彼らもサラリーマンだと考えてまず間違いはない。

ファンドマネージャーには医師や弁護士のような資格は必要ない。実は学歴もあまり関係ない。我々と同じサラリーマンであり、多少の特性は考慮されるものの、人事異動で現在の立場にいるにすぎない人が大半であると考えてよい。彼らが巨額の資金を運用しているからと行って、ズバ抜けて高い能力を持っているわけではないのだ。

確かに彼らは優秀だ。しかし日本では、投信会社の多くは証券会社や生命保険会社、銀行といった大手金融機関の子会社であり、社長をはじめ幹部は親会社からやってくる。ファンドマネージャーの多くは彼らの意向を受けて運用を行っていることは想像に難くない。

忘れてはならないのは、ファンドマネージャーの多くは必ずしも運用に優れているわけではなく、運用報告会などで顧客に好印象を与えることができるセールスマンの側面を持ち合わせていることだ。

アナリストの情報にも注意が必要である

もう一つ。ファンドマネージャーと並んで「プロ」と呼ばれる存在にアナリストがいる。

アナリストには2種類の人間がいる。
「セルサイド・アナリスト」と「バイサイド・アナリスト」だ。セルサイド・アナリストは金融機関で顧客に情報を提供する。バイサイド・アナリストは運用会社に属し自社に対してのみ情報提供を行う。

バイサイド・アナリストの調査レポートは「社外秘」で個人投資家が目にすることはない。新聞やニュース、ネット上で誰でも目にすることができるコメントは「セルサイド・アナリスト」が作成したものである。

アナリストは必ずしも中立ではないことを、察して頂けるだろうか。あなたが目にする相場情報の多くは「商品を買わせたい」というフィルターがかかっているものなのだ。

投資の世界は透明かつ公平であるべきだ

銀行や証券会社は、この世に存在する全ての投資信託を取り扱っているわけではない。そんなことをすれば、とんでもなく事務コストがかかるばかりか、販売現場は混乱を極めるだろう。銀行や証券会社各々が取り扱う商品を選定しているのだ。

だが、その選定基準も曖昧だ。顧客のためを考え商品選定が行われているわけではない。他の銀行や証券会社でよく売れているからという理由で取扱が始まる商品もある。

なかにはちょっとした「オトナの事情」で取り扱わざるを得ない商品もある。興味のある方は、四季報で銀行や証券会社の株主欄を見て頂きたい。たとえば、地方銀行の中には保険会社が大株主となっているところもある。保険会社が系列に投信会社を持っているなら、大株主としてはその会社が運用している投資信託を銀行で販売して欲しいと考えるだろう。

投資の世界は透明で公平であるべきだ。
しかし、現実には個人投資家は様々な点において不利と言わざるを得ない。だからこそ、銀行員はできる限り公平で客観的な情報提供を行うべきなのだ。

「プロが運用しているから安心です」とセールストークする銀行員には、くれぐれも注意されたい。(或る銀行員)

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