「ビジネスの相手に好印象を与えたい」というのは、ビジネスパーソンなら誰しも考えていることだ。しかも相手が外国人であればなおさらのこと。初対面の印象というものはその後のビジネスの成否や自分の営業成績・社内評価にも直結する重要な指標になる。
英語を使って上手に自分を印象づける方法を知りたいという人は、特にビジネス英語初心者にはきっと多いはずです。そこで、今回はそうした場面で使える効果的な英会話の作法を紹介する。最低限の基本ポイントから、ちょっとハードルの高い上級テクニックまで、じっくりと考えてみることにしよう。
【入門編】定型の言い回しを覚える
最初からスラスラと英語でコミュニケーションを交わせる人はいない。それは帰国子女やネイティブであったとしても同じことだ。彼らは子供の頃から相手に自分のことを紹介する習慣が身についていることと、定型の自己紹介文を準備してよどみなく話せるようにしているのである。
入門編としてまずは出会ったときの挨拶のしかたを覚えておこう。
あなた(田中和男):Hello. I’m Kazuo Tanaka. Nice to meet you.
ビジネス相手(ジョン・ワトソン):Nice to meet you, too. I’m John Watson.
このほかの言い方として“Pleased to meet you.” がある。 通常はこうした挨拶のあとに名刺交換を行うのが普通だ。
【初級編】会話の続け方
ひととおり挨拶が終わったら、そのまま会話をつづけてみよう。決まり文句として、下記のように仕事の状況を聞いてみるのが一般的だ。
あなた:How is your business going on?
(お仕事の方はいかがですか?)
ビジネス相手:Very busy, but everything is all right, thank you.
(とても忙しいですが、うまくいっています。ありがとう。)
応用編として、飛行機で日本に着いたばかりの相手に“How’s your flight?”と尋ねることで、会話をすすめ
【中級編】あいづちを覚える
日本人が外国人と英語で会話していると、あいづちが「Yes」ばかりになってしまうか黙ってしまうことが多いが、これでは会話は弾みにくい。そこで、相手の話をきっちりと受けとめて、相手の気持ちが上向きになるような「あいづち」を覚えよう。「すばらしい」という意味の言葉には以下のような言葉がある。
Wonderful.
Excellent.
Good stuff.
その一方で、自分と考えが違うときには、はっきりと意思表示することも大事だ。
「私はそうは思いません」という意味では、下のような言い回しがある。
I don't buy that.
I don't think so.
I don't accept(believe) that.
また「お気持ちは分かります。しかし〜」と相手の意見に一定の理解を示した上で反論する形にすると、角が立たずに自分の意見を伝えることができる。
I know where you are coming from. But〜
I know what you mean. But〜
【上級編】西洋の格言を会話に織り交ぜる
外国人、特に西洋人とコミュニケーションを図るには、仕事以外の教養が非常に重要だ。日本人同士の関係だと、仕事の話だけしかしなくてもそれほど問題にはならないが、外国人と話すのにビジネスに関する話題しかない人間は「仕事以外の事柄に関心のない無教養な人」と判断され、肝心のビジネスにも良くない影響を及ぼす。
そこで上級編として会話に織り交ぜる西洋の格言をいくつか紹介する。
例えば、相手から「日頃どんな本をよんでいるのか」と尋ねられたとしよう。そんな場合には、ドイツの哲学者ショーペンハウアーの格言を用いて、ユーモアたっぷりにこう返してみてはどうだろうか。
“To buy books would be a good thing if we also could buy the time to read them.”
(時間も同時に買うことができるならば、本を買うことはいいことだ)
これなら日頃まったく本を読んでいないことの言い訳に使えるし、また自分が仕事で非常に忙しい人間だとさりげなくアピールすることもできる。
さて、あなた自身のお仕事で使えそうな英会話の作法は見つかっただろうか。
英語で相手にしっかりと応対するのはとても敷居が高いというイメージがある。しかし、前もって決まった言い回しを覚えておくだけで、心の余裕ができるとともに、相手にも好印象を与えることができる。
英会話力が高いことに越したことはないが、会話の最大の目的は相手と良好な関係を構築することだ。そのためには、表面的な英会話のテクニック習得に走るのではなく、あなた自身の個性をはっきりと表し、自分の意見を伝えようとする熱意を示すことが大切だ。
結局は心のこもらない流暢な英語よりも、たどたどしいながらも魂のこもった少ない言葉のほうが、あなたのビジネスを成功に導くことだろう。(五十路満、ライター)
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