シティグループのブラジルとアルゼンチンのリテールおよびクレジットカード業務売却に関し、サンタンデール・リオ銀行とイタウ・ウニバンコ銀行が業務を引き継ぐことで正式に合意に至った。

コスト削減、利益増出に向けた動きの一環だが、その一方でメキシコ部門への投資を増額するなど、引きだけではなく攻めの姿勢も崩さない意向を明らかにしている。

外資系企業には参入しづらいブラジルから撤退 メキシコに専念

シティのブラジル、アルゼンチン、コロンビアにおける事業縮小計画については以前から報じられていたが、10月8日、ブラジルのクレジットカード、消費者金融、リテールブローカー業務などをイタウ・ウニバンコ銀行が2億2000万ドル(約227億7880万円)で買収することに合意。翌日9日にはサンタンデール・リオ銀行による、アルゼンチンの消費者銀行部門の買収が発表された。

シティは2012年頃から業績の振るわない国外の消費者銀行部門を整理しており、特に苦戦の続く南米ではブラジルの市場シェアがわずか1%にとどまるなど、撤退を余儀なくされる状況だった。

一般的に南米の消費者は地元金融業者への忠誠心が強く、外資系企業にとっては開拓しづらい環境だとされている。昨年にはHSBCホールディングスもブラジルから撤退しているほか、バンク・オブ・アメリカやバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)なども姿を消した。

シティも勝利の見こみが薄い地域は地元の大手に引き渡し、メキシコなど順調な伸びが期待できる地域に専念するという決断に至ったようだ。

今回の売却が消費者およびシティの決算結果におよぼす影響は、最小限にとどまると予想されている。

負け地域からの退却と同時にメキシコの子会社、メキシカン・バンクをシティバナメックスと改名し、長期的に事業を拡大していく構えだ。2014年の1億5000万ドル(約155億3100万円)に続き、今年10月4日には1億ドル(約103億5400万円)を追加投資することを発表。デジタルバンキング、IT、支店、ATMなどの分野を精力的に開拓していく予定だという。(ZUU online 編集部)

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