「いつか読みたいけど読んでいない本」「買ったけど読んでいない本」がたくさんあるという人は少なくないだろう。自己研さん、ビジネススキルの向上のために、本をたくさん読んでインプットしたいというビジネスパーソンは多いはずだが、「忙しくてなかなか読めない」ということも共通の悩みとしてあるはずだ。
そんな忙しいビジネスパーソンにじわじわと注目されつつあるのが、「オーディオブック」だ。
通退勤中、歩いているときにスマホを見る「ながらスマホ」は危険だが、オーディオブックなら大丈夫だろう。また満員電車で立っていても聴くことができる。もちろん内容に集中しすぎて、周囲が見えなくなって迷惑をかけてはいけないが、少なくともスマホ画面を凝視しながら歩く危険と比べると、注意はしやすいだろう。
読みたい本を読む時間がなくても大丈夫
オーディオブックとは声優やナレーターが書籍を朗読し、それを録音した音声コンテンツのことだ。この手の商品は、昔からテープやCDとして売られており、オーディオブックは決して真新しい商品という訳ではない。
だが最近ではインターネットや音楽プレイヤーなどの発達により、幅広い書籍の音声コンテンツを入手できるようになっている。例えばビジネス書や小説、またラジオドラマなどが代表的だろう。
オーディオブックの販売形態は様々あるが、中でもダウンロード販売の売り上げが好調だ。またダウンロードしやすいように大手企業がプラットフォームを提供し始めている。このようにオーディオブック市場は好循環が生み出され、にぎわい始めているマーケットなのだ。
Amazonが提供する「オーディブル」
最大手ECサイトであるAmazonではオーディオブックを2015年7月1日にリリースし始めた。その名は「オーディブル(Audible)」で、同社の社名にもなっている音声コンテンツ配信会社だ。
オーディブルの特徴は「月額1500円で視聴し放題」というサービス形態である。Android端末でも、iOS端末でも聴くことができ、スマホさえあればいつでも書籍を楽しむことができるのだ。
オーディブルでは現在は20ジャンル以上の音声コンテンツが配信されており、毎週人気のタイトルが追加され続けている。例えばビジネスや自己啓発本、小説やライトノベルも豊富だ。そのため、ビジネスパーソンだけでなく、電車通学をする学生や、時間がある方にも向いている。
その他、オーディブルは専用アプリで視聴できるようになっており、最大3倍まで再生速度を速めることができるなど、いくつかの便利機能もある。このように書籍販売を主力として成長してきた「Amazon」だからこそできるサービスとなっているだろう。
なお、現在は1ヶ月(最大3か月)の無料期間が設けられている。軽い気持ちで始めてみて、納得いけばそのまま続けるのも良いかもしれない。
オトバンク提供の「フィービー」
オーディオブックを提供する企業はAmazonだけではない。オトバンクも注目の企業だ。特に同社が提供しているサービス「フィービー(FeBe!」)は有力サービスで、2007年からリリースされている。
フィービーの特徴は「ファイル形式がmp3である」点だ。スマホ端末だけでなくiPodやウォークマンといった音楽プレイヤー、音響デッキなどでも視聴することができるのだ。
現在、フィービーでは1万5000種類を超える書籍を視聴することが可能になっている。ジャンルも様々で、視聴時間毎にカテゴリ分類されているためちょうどいい長さの書籍を聴くことも可能だ。
なおフィービーは1冊あたりの利用料金が決定されている。200円程度から人気の作品で、新品と同等の値段がするものもある。逆に発売直後で人気の書籍を聴くことも可能という訳だ。
このように音楽コンテンツに強みを持ったオトバンクも、オーディオブックを提供しているのだ。
人気のオーディオブックはどれか?
オーディブルとフィービー、オーディオブックを提供する2社を紹介した。それではこうした配信サービス上ではどのようなオーディオブックが人気なのだろうか。
いずれのサイトも、とにかく人気が高いオーディオブックが「ビジネス書」と「自己啓発本」である。これから分かる通り、オーディオブックがビジネスパーソンに受け入れられていることを伺うことができるだろう。
人気の作品は刻一刻と変化しているが、一時のブームを作った書籍は今でも根強く読まれ続けている。例えば『7つの習慣 原則中心リーダーシップ』(スティーブン・R・コヴィー)や、『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル)などは愛読されている。
またビジネス書や自己啓発系に続くジャンルが、「小説」だ。映画化された作品や、芥川賞などを受賞した作品が人気を集めている。こうした作品は自分で読んでいてもなお、他人が音読している内容を聴きたいとファンを集めていそうだ。
このように基本的にはビジネス書や自己啓発本が人気を集めており、話題の小説・書籍がそれにつづく形になっている。
インターネットを通じたサービスは日々変化を遂げている。それを上手に使いこなすことができれば、少ない時間で成長を遂げることも可能だ。もし興味があるなら、まずは軽い気持ちで読み(聴き)始めてみると良いだろう。(吉田昌弘、ライター)
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