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(写真=PIXTA)

新しい米国大統領が事実上、決まる投票日(11月8日)が近づき、報道も盛んになっている。日本にも影響を与える選挙だけに、選挙の仕組みもおさえておきたい。

「予備選挙」で党の代表を決めるところから

まず大統領選では「予備選挙」が行われる。これは大統領選挙のあるその年の1月から7月にかけて行われる。予備選挙で選ばれた候補者は大統領になるべく、代表同士で選挙を行うのだが、これが現在、連日テレビでも予想されている「本選挙」と呼ばれるものだ。

予備選挙とは有権者が直接、候補の名前を投票するのではない。候補に投票するのは、予備選挙の投票権を持つ「代議員」だ(この選挙方式は「間接選挙」と呼ばれる)。代議員は党員集会で、党員が話し合いや公開投票などを行って決める。選ばれた代議員の支持を最も多く得た候補者が党の代表となる。予備選挙と党員集会は全州で行われ、ここで最も多く代議員の支持を得た候補者が、7月の党大会で公認候補に選出される。ちなみに多くの州で党員集会が同時に実施される日が、伝統的に「スーパーチューズデー」と呼ばれる。これは名前の通り、火曜日に設定されている。

「本選挙」は党代表の一騎打ち

そして実は本選挙も「間接選挙方式」で行われる。11月8日に行われる投開票では、次の大統領が事実上決まるのだが、厳密にいえば、一般有権者が選ぶのは「大統領選挙人」だからだ。この有権者の代表が、改めて大統領候補に投票する。

大統領選挙人は、人口などに応じて各州に割り振られている。多くの州では、一般投票で1位になった候補がその州の選挙人を「総取り」する。

しかし、いずれの候補も過半数に達しなかった場合には、上位の候補者の中から次に行われる連邦議会議員の投票によって選出される。

さらに12月19日には、大統領選挙人による投票が行われ、選挙人総数538人の過半数270以上の票数を獲得した候補者が大統領となる。そして2017年1月6日に連邦議会で開票され17年1月20日に領就任式が行われる。

残る接戦州で158人の争奪戦

勝敗の行方を左右するのは、“接戦州”だ。このクリントン氏がやや優勢に戦いを進める中、この差を今後縮めるかもしれない存在が、「スイングステート」(揺れる州)ともいわれるこの“接戦州”だ。

前述したとおり、選挙人538人のうち、当選には過半数の270人の獲得が必要だ。NHKの報道によれば、クリントン氏が確実視されているのは216人。トランプ氏は164人となっている。両候補は残る13州で158人の選挙人を争奪することになる。

この中でも注目されるのが、選挙人が多い“激戦州ビッグスリー”だという。毎回のように大接戦となるのが南部フロリダ州。今のところはクリントン氏が優勢。東部ペンシルベニア州でもクリントン氏優勢。中西部オハイオ州はトランプ氏が優勢と伝えられている。

だが3州の選挙人の合計は67人なので、トランプ氏が3州で全勝しても過半数には達しない。だがクリントン候補が3州で全勝すれば当選ラインを突破できる。要するにトランプ氏はひとつも落とせないのだ。

5日時点で、全米の世論調査による支持率の平均値はクリントン氏が46.4%、トランプ氏が44.8%で、わずか1.6ポイントの差だ。8日と目前に迫った投票が待たれる。(ZUU online 編集部)

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